「ラッパの裁き」の「苦よもぎ」とは? 地球接近の小惑星か?
2029年4月13日金曜日に地球衝突の可能性のある小惑星「アポフィス」は、果たして使徒ヨハネが預言した黙示録の「苦よもぎ」のことなのだろうか…
また、七つのラッパを持った七人の御使いたちは、ラッパを吹く用意をした。
第一の御使いがラッパを吹いた。すると、血の混じった雹と火が現れて、地に投げ込まれた。そして地の三分の一が焼かれ、木々の三分の一も焼かれ、すべての青草も焼かれてしまった。
第二の御使いがラッパを吹いた。すると、火の燃えている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして海の三分の一が血になった。また海の中にいる被造物で、いのちのあるものの三分の一が死に、船の三分の一が壊された。
第三の御使いがラッパを吹いた。すると、天から、たいまつのように燃えている大きな星が落ちて来て、川の三分の一とその水源の上に落ちた。この星の名は「苦よもぎ」と呼ばれ、水の三分の一は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ。
第四の御使いがラッパを吹いた。すると太陽の三分の一と、月の三分の一、また星の三分の一が打たれたので、それらの三分の一は暗くなり、昼の三分の一は光を失い、夜も同じようになった。
また、私は見た。そして、一羽の鷲が中空を飛びながら、大声でこう言うのを聞いた。「わざわいだ、わざわいだ、わざわいが来る。地上に住む者たちに。三人の御使いが吹こうとしている残りのラッパの音によって。」 ヨハネの黙示録8:6-13
弟子たちが、世の終わりについて尋ねたとき、キリストは
民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます。(ルカ21:10-11)
と言われ、これらの現象は終末末期の「産みの苦しみの始まり」であると語られました。続けて、引き続く大艱難のときは「天のもろもろの力が揺り動かされる」(ルカ21:26)ので、世界中の人々が気を失うほどの恐ろしいときであると、預言されました。この大艱難のときの詳細は、昇天後キリストが弟子のヨハネに啓示された『黙示録』に記されています。
冒頭に引用した箇所には、そのとき、天地を襲う神の裁きの恐ろしい光景、―地の三分の一の焦土化、海の三分の一の汚染、水源の三分の一の汚染、太陽、月、星の三分の一の暗黒化と、その後引き続く三つの災い― が、御使いの吹く各々のラッパに象徴されて語られています。
「苦よもぎ」と呼ばれる星については、ロシア語では「チェルノブイリ」と呼ばれることから、1986年4月26日に旧ソビエト連邦で起こった原子力発電所の原子炉爆発事故に言及するものとの解釈が広く受け入れられ、文脈とも不思議と一致しましたが、ただこのラッパの災いは艱難期に起こるはずであることから、「時間的要因」が問題でした。
第一から第四のラッパがもたらす現象の他の可能性として考えられたのは小惑星の激突によるものでした。この可能性を、今日生きている世代に直接関わることとして解釈した、終末論研究家トム・ホーン氏の解釈が非常に興味深いので今月はこの話題を取り上げたいと思います。
☞預言の解説は『一人で学べるキリストの啓示、ヨハネの黙示録の預言』p.215-226、補注8、9、27参照。トム・ホーン氏の著書は“The Wormwood Prophecy”。
ホーン氏は一年前2019年に恐ろしい夢を見、夢の中で、―妻によると、その間ホーン氏は呼吸停止で死んだ状態であった― 多くの啓示、解き明かしを神から受けました。真っ赤な竜、―最初の印象、しかし、真っ赤に燃え盛る小惑星と後で気づく― が天から地に激突し、人々が恐怖に逃げ惑う光景が展開し、最後に「アポフィス」という名が明確に示されたのでした。ホーン氏はNASAが2004年に小惑星を発見し、「混乱の神」の意のこの名をつけていたことを知っていました。
夢から目覚めた後、黙示録8章の「苦よもぎ」がすぐに浮かび、6-12節の解釈が明確に示され、2029年4月13日金曜日にそのことが起こると確信したのです。しかし、この日付はホーン氏が神から示されたのではなく、NASAが予測した日です。
NASAはこの小惑星の地球衝突の可能性の日を公開した後、なぜかすぐにそれを取り消したとのことです。危機感から人々がパニックに陥らないようにとの配慮によるのかどうか定かではありませんが、ホーン氏は明らかな「もみ消し」と見ています。
2004年の観測によると、アポフィスは幅370m、アメリカンフットボール場の四倍の大きさ、推定重量は2000万メートルトン、時速28,000マイルで移動しており、地球衝突の場合は、太平洋岸、米国とメキシコ、ティワナの国境近辺とのことです。
推定強度は、8億8000万トンのトロポニンTの爆発に相当し、広島に落とされた核爆弾の6万5000倍にもなるのです。NASAのある科学者は、アポフィスの地球激突の威力は今日の地球上のすべての核兵器を一箇所に持ち込み、爆破させるに等しいとも語っています。
NASAは危険な小惑星の脅威から地球を守る準備をかねてから進めているようですが、トランプ大統領も、NASAがアポフィス地球衝突の可能性を発表した後、米国宇宙軍(USSF)を2019年12月20日に米軍の独立支部として設立しました。
ホーン氏は、聖書の預言の重大さから、この宇宙戦部隊は中国やロシアを相手にというより、この小惑星をもっと調査するためではないかと推し量っています。
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニアは、地球近傍の小惑星が大気圏に突入する前に、地球への軌道を偏向させる、いわば、危機をかわすための「先制攻撃」を焦点に当てて研究中とのことが、今年2月20日付の記事にも挙げられていましたから、専門家がアポフィス衝突の可能性に備えていることは間違いないようです。
ホーン氏の夢を通しての8章6-12節(冒頭に引用)の解釈は次のようになります。
松明のように燃えている「苦よもぎ」と呼ばれる大きな星、小惑星アポフィスが海に落ちると、海水が沸騰し、海底から噴霧が立ち上り、火山爆発が誘発された。
第一から第四にかけての一連のラッパの裁きは、日時を隔てて徐々に起こるというのではなく、この小惑星衝突によって海と地に連鎖的に引き起こされる大災害に一致する。この小惑星はおそらく連星で、あるいは、大気圏突入のとき、二つに裂けることによって、二部構成で物事が勃発する。二部構成の一つ目と二つ目がそれぞれ、海と地に衝突した結果引き起こされる現象と思われる。
最初のラッパによって火と粒子が天から落下し、地を焼土と化し、草木が失われるという現象は、非常に大きな小惑星が地球に近づき大気圏に突入するとき、その軌道の前方にある破片や粉塵を地球に押しつけることにより起こることの描写である。
連星の一つ、「大きな山のようなもの」が燃えながら落ちてきて海に激突すると海上の船舶が破壊され、海の生き物の多くが死滅する。
第三のラッパが吹かれ、地に激突する「苦よもぎ」によって水源が汚染され、第四のラッパは、大気汚染で空が暗闇で覆われ、太陽も月も光を失うことを描写。これらの現象はすべて、二、三日間のうちに起こる。
地球の地殻と核との間にあるマントルを砕くことにもなる衝突の衝撃で地上の生命の三分の一、少なくとも数千万人が失われる。衝突の場所、衝突後の大気をはじめ地球環境の状態、持続期間次第では、最終的に何十億人もの生命が失われかねない。
聖書の預言の確かさを100%信じ、啓示やビジョンを受けた体験を通して、年月に関しても正確に神が語られると信じているホーン氏は「ときが迫っているので少しでも多くの人々にこの情報を知らせねば」との思いで昨年12月出版し、ユーチューブを通してもメッセージを送っています。
キリストは、黙示録の「封印」の裁きの五番目までが艱難期前の「産みの苦しみの始まり」であると、オリーブ山での講話で弟子たちに教えられました。
私たちの生きている今日、二、三年前から五番目までの出来事が確実に起こっていましたが、今年初めから未曾有のいなごの大量発生や気象異常による飢饉、追って世界的食糧難、COVID-19の世界的大流行を皮切りに、吸血ダニ、毒グモ、毒蛙、毒蛾の繁殖、脳を貪るアメーバ、デング熱拡大等々、人をはじめ動植物に脅威を与える疫病、反ユダヤ主義やキリスト者迫害の急増、国々の敵対激化、不安、不満の爆発による国家内部の分裂から内戦激化の脅威、絶対基準の消失による無法化、政治経済、金融の世界的統一化、今年9月の世界統一宗教への調印等々で、神の創造の秩序を無視した結果の刈り取りのとき、六番目の世界的な大混乱が起こり始めているのです。
まさに神の預言の成就に向かって加速度的に出来事が展開していることをだれもが認めざるを得ない時代に入っています。