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第261号  アモス書3:1-8 

恐ろしい災い… それは主が下されるのではないだろうか?

町を恐怖に陥れるすべての災い、―天災、人災― の背後には、人の咎に対し裁きを下される神がおられる... 災いは主がもたらされ... 預言者は、神から示された明らかな動機があるから、警告を発せずにはおられない...

イスラエルの子らよ。主があなたがた、すなわちわたしがエジプトの地から連れ上ったすべての氏族について言った、このことばを聞け。わたしは地上のすべての部族の中から、あなたがただけを選び出した。それゆえ、わたしはあなたがたのすべての咎をあなたがたに報いる。ふたりの者は、仲がよくないのに、いっしょに歩くだろうか。獅子は、獲物がないのに、森の中でほえるだろうか。若い獅子は、何も捕らえないのに、そのほら穴から叫ぶだろうか。鳥は、わながかけられないのに、地の鳥網にかかるだろうか。鳥網は、何も捕らえないのに、地からはね上がるだろうか。町で角笛が鳴ったら、民は驚かないだろうか。町にわざわいが起これば、それは主が下されるのではないだろうか。まことに、神である主は、そのはかりごとを、ご自分のしもべ、預言者たちに示さないでは、何事もなさらない。獅子がほえる。だれが恐れないだろう。神である主が語られる。だれが預言しないでいられよう。     
アモス書3:1-8

南ユダ王国テコアの農夫であり牧者であったアモスは神から召名(召命)を受け、北イスラエル王国で預言のミニストリーに従事していました。この文脈で神はアモスに、エジプトから連れ出され、神ヤーウェに贖われた全イスラエルに向けて語るようにと命じられました。
エジプトでの隷属下から救い出されたイスラエルと神との関係は特別で、ヘブル語(旧約)聖書では、婚姻の契約を結んだ妻と夫の関係で描写されています。冒頭に引用したアモス書3章2節の邦訳の「あなたがただけを選び出した」はヘブル語聖書では「あなたがただけを知った」で、神の民イスラエルは、神による贖いと同時に、神との特別な関係の特権にあずかったのでした。ですから、妻が夫に不忠実であれば、責任が問われるように、ヤーウェに対しイスラエルが不忠実、不従順であれば、その咎に対して民の上に必然的に報いが下ることになるのです。

預言者アモスはまず、神に選ばれ、特権にあずかった者は多くを要求されることを、当時神の御旨に逆らって掟から遠く離れていたイスラエルの民に訴え、思い起こさせた後、3節から6節にかけて記されているように、七つの疑問を投げかけました。ここでアモスは民に、ただ裁きを宣告するのではなく、見事な構文によって、「今、神との正しい関係に立ち返るように」と訴えています。3節の「仲がよくない」は、「互いに平和の関係にない」の意で、まずアモスは、神はご自分に同意しない、御旨を行わないイスラエルとともに歩むことをもはやなさらないと、民に訴えました。続く三節で、二つずつの疑問を浴びせることでアモスが試みたのは、物事が起こるには原因があること、すなわち、この世の事象には因果関係があることを民に思い起こさせることでした。

4節、5節では、獅子も若獅子も目指す獲物を見つけなければほえることはないし、獲物を捕獲しなければ、唸ることもない、同様に、鳥は仕掛けられていた罠におびき寄せられて鳥網に近づくのであり、鳥網が作動して地からはね上がるのは、鳥が引っかかったからであるとの理屈を通して、アモスは当時のイスラエルの霊的に堕落した状態をあばいています。それは、略奪者の獅子はまさに「略奪者なる神」のことで、町を恐怖に陥れるすべての災い、―天災、人災― の背後には、人の咎に対し裁きを下される神がおられる、犠牲者の鳥は「神の裁きの罠にかかったイスラエル」のことで、イスラエルは神を離れ、自ら選んだ堕落の道におびき寄せられ、滅びへと急き立てられている、ということでした。

『申命記』28章には、契約の民が神の御旨に従わなければどうなるかが詳細に記されていますが、アモスをはじめ旧約の預言者たちは、神の民であることに安住していた人々に、脅威をもたらすような事象が回りに起こるとき、そこには原因があることを警告する重大な役割を担っていたのでした。6節でアモスは、「町で角笛が鳴ったら、民は驚かないだろうか。町にわざわいが起これば、それは主が下されるのではないだろうか」と、そのことを明確に民に訴えています。災いは主がもたらされるのであり、預言者は、神から示された明らかな動機があるから、警告を発せずにはおられないのです。神がなさろうと思っておられることをご自分のしもべに知らせることによって、迫りくる出来事に対処させることは、全聖書に語られています。

7節の邦訳の「そのはかりごとを…示(す)」は、「神の秘義を顕す」、「神との交わりを開く」の意で、預言者エレミヤはエレミヤ書23章で二箇所、「主の会議に連なる」と表現して、同じヘブル語を用いています。神は霊感を与えられた者を「ご自分のしもべ」と呼び、アブラハム、モーセをはじめ旧約の神の預言者たちに、これらの秘密の助言を顕されたのでした。

アモスは3節で、互いに平和の関係にないイスラエルと神との決裂を含蓄する疑問を一つだけ投げかけ、続く4、5、6節のようには、因果関係により引き起こされるもう一つの疑問、―4、5、6節で用いられたパタンに従えば、おそらく「反逆の民に懲らしめが下るのは避けられないのではないだろうか」という疑問― をあえて投げかけませんでしたが、その理由は、7、8節で明らかにされます。
8節でアモスは「獅子がほえる」、すなわち、「神がほえ、咎に対するのろいが民に下る」というように、もはや回避できない裁きを宣告したのはなく、「…神である主が語られる」と、咎に対する究極的な裁きが下る前に、もう一度神の預言者を通して、神は民に悔い改めを迫っておられると、警告したのでした。
8節の「獅子のほえ声」は、裁きではなく「神の預言の声」を引き起こし、アモスがその代弁者として、反逆の民の前に立ったのです。獅子がまだほえている間に、―悔い改めによって取り戻すことができる明るい未来の門戸が開かれている今― 神との正しい関係に立ち返るようにと、アモスは民に、未来を確実にするために「今を正す」ようにと訴えたのでした。
最初から最後までをすべて掌握しておられる神は、人の今の選択が未来を決めることを全聖書を通して明確に語られ、神によって生きる道を選ぶようにと迫っておられます。「神の未来」はすでに決まっているのです。

今日起こっている不可解な事象

アモスの警告に従い、この世の事象には因果関係があること、災いは神がもたらされることをふまえて、現在世界中で起こっている不可解な現象に目を留めることにしましょう。世界中で鳥、魚、動物の大量死が起こっています。2017年6月までの半年間だけでも、259例の大量死が報告され、さらに新たな情報追加の傾向にありますが、そのほとんどの原因は不明のようです。
6月に起こった例を挙げてみますと、米国ではカリフォルニアの海岸に何百体もの海鳥とアシカの死体が上げられ、マサチューセッツの海岸には百羽のカツオドリの死体が打ちあげられ、海洋に繁殖した有毒藻類が原因ではないかと疑われています。また、テキサス州の河道沿いには、延々と、数えきれない大量の魚の死体が打ちあげられ、ミシガン州のデトロイト川沿いには、何百羽もの死んだカモメが昨年は五千羽ほどであったのが、今年はもう一万羽に達していると報道されました。原因は食物と水の奪い合いで、成鳥が若鳥が死ぬまでくちばしでつつくというすさまじい生存競争が起こっているようです。

ロシアでは、湖が死んだ魚で埋め尽くされる異常事態が起こり、湖水が底まで凍ってしまったため、魚が窒息死したものと考えられています。メキシコでは、亀の子の原因不明の大量死が起こり、パキスタンのある村では、家畜四十頭の原因不明の病での突然死、ブラジルでは二年間足らずのうちに、ラグナとウバトゥバとの間の700㎞に亘る海岸沿いに二万三千頭もの動物が死んで発見されました。廃物摂取が主要因ではないかと疑われています。
中国では、漁師が捕獲するのは大量の死んだ魚ばかりという出来事が起こり、海水中の溶存酸素の欠乏による低酸素症が原因ではないかと推測されています。ポルトガルでも、魚の生命を維持するには不十分な酸素量のために魚が窒息死し、大量に河川沿いに打ちあげられる事態が起こっています。イタリア北部の町ボローニャのレノ川では、大量のコイとナマズが死んでいるのが発見され、その量は300㎏にも達したのでした。干ばつが続いているところへ最近の熱波で水温が上昇したことが原因ではないかといわれています。オランダでも大量の魚の死は原因不明のままで、インドでは、近くの河川から漂流する死んだ大量の魚のために、ベンガル湾上のゴパルプル港では、対策に追われているとのことですが、大量死の原因は不明なのです。
6月20日のCBCニュースは、魚が死んで岸に打ち上げられるのは自然死で、自然界の支配の法則による生死でバランスが保たれている、また、魚は淡水の河川で産卵を終えて大海の塩水に戻るとき、急な水温の変化のために死ぬことが多いと報じていました。(http://www.cbc.ca/news/canada/prince-edward-island/pei-dead-fish-beach-1.4168715
果たして、昨今のすべての不可解な出来事を自然現象として片づけることができるのでしょうか。

アリゾナ州の酷暑

米国のアリゾナ州では飛行機の離着陸ができず、プラスチックや郵便箱は溶け、塗料ははげ、自動車のハンドルは鍋つかみで握り、車の中でクッキーが焼けるという大変な酷暑が続いており、フェニクッスでは49℃に達する異常事態です。

イエローストーン公園で引き続く地震活動

また、イエローストーン公園では、6月半ばから地震の頻度が日を追うごとに増しており、公園自体が大マグマ上にあるため、火山噴火が起こると大惨事になると懸念されています。時限爆弾を抱えたようなこの状態を、ある預言者は、まさに地のエネルギー源による脅威は神からのしるしで、過去数十年間地のエネルギーを独占して弱国をしいたげてきた米国とイスラエル人への警告であるとみなしています。
イエローストーンでは、六月半ばから半月の間に千百回もの地震が起こっており、専門家は震度が小さいので超火山の爆発にはならず、大事には至らないとコメントし、静観状態ですが、預言者は、もし爆発が起これば、それは警告が紛れもなく神からのしるしであることを裏づけることになり、もし警告に耳を傾けなければ、取り返しのつかないことになると預言しています。
https://www.youtube.com/watch?v=x5rHtCuk6oU

預言者の語る遠未来預言が神からのものであることの保証に、神がメッセージの直後に、あるいは、ときを経ないで成就する何らかのしるしを与えることによって、その預言の信ぴょう性を明確にされたことが、神のアプローチとして聖書に記されていますが、今日、世界中の動物界、人間社会で、また、太陽の異常活動をはじめ宇宙空間で起こっている現象が神からの警告かどうかは、神の預言者の声に耳を傾け、神への反逆から立ち返るか否かの結果に現われるのです。
神の御旨は、すべての人が神を否定し、自分中心に生きてきた罪を悔い改め、神に立ち返ることですから、アモスやペテロが警告したように、神が憐れみを示してくださっている間に行動を起こさなければならないのです。
「主は…あなたがたに対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです」(ペテロ第二3:9)。