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第310号  エゼキエル書1:4-21

UFO/UAPの正体は何か?

高度な知性でふるまうUFO/UAP現象は現実で、起源が地球外であると信じる人たちは多い。オンライン投稿された米国政府の報告書は、異星人の可能性を真剣に受け止めてきたかのようである…

私が見ていると、見よ、激しい風が北からやって来た。それは大きな雲と、きらめき渡る火を伴い、その周りには輝きがあった。その火の中央からは琥珀のようなきらめきが出ていた。その中に生きもののようなものが四つ現れ、その姿は次のようであった。彼らは人間のような姿をしていたが、それぞれ四つの顔と四つの翼を持っていた。…彼らの顔かたちは人間の顔で、四つとも右側には獅子の顔、四つとも左側には牛の顔、さらに四つとも鷲の顔を持っていた。…彼らはそれぞれ前を向いてまっすぐに進んだ。霊が進ませるところに彼らは進み、進むときには向きを変えなかった。それらの生きものの姿は燃える炭火のようであり、たいまつのように見えた。火がそれらの生きものの間を行き来していた。火には輝きがあり、その火から稲妻が出ていた。それらの生きものは、閃光のように出たり入ったりしていた。

私がその生きものを見ていると、それらの四つの顔の生きもののそばには、地の上にそれぞれ輪が一つずつあった。…それらは四方のどの方向にも進み、進むときには向きを変えなかった。その輪の周りの縁は高さがあって恐ろしく、四つの輪の周りの縁は一面、目で満ちていた。生きものが進むときには、輪もそのそばを進み、生きものが地上から上がるときには、輪も上がった。…生きものが進むときには輪も進み、生きものが止まるときには輪も止まり、生きものが地上から上がるときには輪も上がった。生きものの霊が輪の中にあったからである。       エゼキエル書1:4-21


2021年1月4日、米国中央情報局は、未確認飛行物体(UFO)に関する何千もの文書を機密指定から解き、それらをオンライン投稿しました。この中には、おもに海外の報道機関でUFOの目撃情報を報告している文書と、同局がUFOの目撃情報に関する公的な問い合わせをどのように処理したかについての覚え書きが含まれています。これは、米国政府が過去七十年間、UFOの目撃情報を、それらの存在を公には否定してきたにもかかわらず、いかに真剣に受け止めてきたかの説得力ある証拠を提供しています。

聖書は、宇宙空間に生命体が存在するか否かの主題に特定な情報を与えてはいませんが、預言者イザヤは、創造者なる唯一の神がご自分との特別な関係に生きる者、救いの唯一の対象として人を創造されたこと、人の住む惑星として地球を創造されたことを明確に告げています。

天よ、上から滴らせよ。雲よ、義を降らせよ。地よ、開け。天地が救いを実らせるように。…このわたしが地を造り、その上に人間を創造した。…天を創造した方、すなわち神、地を形造り、これを仕上げた方、これを堅く立てた方、これを茫漠としたものとして創造せず、住む所として形造った方、まことに、この主が言われる。…地の果てのすべての者よ。わたしを仰ぎ見て救われよ。わたしが神だ。ほかにはいない。(イザヤ書45:8、:12、:18、:22)

この神の言葉は、地球は「人が棲息する」という点で宇宙の中で非常にユニークで、他に有人惑星はないことを意味し、したがって、地上の人々を訪れようと試みる異星人のような生命体は存在しないことを示唆しているのです。宇宙の構造、自然法則に見られる人間原理はまさに、「天地を人のために創られた」という神の言葉を実証しているのです。

しかし同時に、聖書は植物、動物のほかに、人以外の生き物が存在することも語っています。人に干渉することのできる生き物として、ケルビム、セラフィム、御使い、悪霊の存在は聖書の至る所で語られています。しかし、これらの生き物は通常人には見えないので、実在の生き物としてではなく、心象現象としてしか捉えない人たちも多いのです。預言者エゼキエルは、冒頭に引用したように、エゼキエル書1章と10章で、神の御座の周りにはべり、神の聖さを象徴する「生きもの」、おそらく、高度な位、あるいは、序列にある天界の被造物の容姿と行動の特徴を詳細に描いています。

ケルビムは人の顔を正面に、時計回りに獅子、鷲、牛のような四つの顔をしており、被造物、―哺乳類、野生の動物界、鳥類、家畜類― のすべての特徴を合わせ持っているかのようです。すなわち、ケルビムには同情や憐みのような人の性質が宿り、獅子の強さと支配力があり、高所からものを見る鷲の特徴には、神の霊的視点が、また、牛の温順さが反映されているのかもしれません。

また、御座を支える特徴あるケルビムの動きには、休む間のない動きに象徴される偏在、輪の周りの数知れない目に象徴される全知全能、とどろくような音、騒々しさ、まぶしいばかりの光に象徴される、五感に強く訴える現象を伴うことが示唆されています。ケルビムは、神のご臨在の担い手として描写されているようです。


理論物理学の論説の中に、「多元宇宙論」がありますが、聖書は、地球との相互作用が可能な少なくとも三つの異なった領域が宇宙にあることを明確にしています。使徒パウロは、第三の天に、超自然的に引き上げられた体験を

私はキリストにある一人の人を知っています。この人は十四年前に、第三の天にまで引き上げられました。肉体のままであったのか、私は知りません。肉体を離れてであったのか、それも知りません。神がご存じです(コリント人第二12:2)

と語りました。また、キリストの愛弟子ヨハネも、キリスト者迫害の黎明期の一世紀末、パトモス島で軟禁状態に置かれていたとき、神の御座のある天界に引き上げられ、『ヨハネの黙示録』の書に記録された啓示が与えられたことを記しています。

いずれも、異なった領域、他次元の宇宙への言及で、明らかに、「第三の天」は神がご臨在される天のことです。そこでは、ケルビム、セラフィム、神の御使いが日夜、神に仕え、キリストを信じて亡くなった兄弟姉妹たちの魂が存在している死後の待合所「パラダイス」もあるのです。

明らかなように、第一の天が地球を取り巻く物理的世界、私たちになじみ深い自然界であるとすれば、第二の天はどのように特徴づけられるのでしょうか。パウロはこの世の神、サタンを空中の権威を持つ支配者」(エペソ人2:2、下線付加)と呼び、天上にいるもろもろの悪霊」(エペソ人6:12、下線付加)にも言及しています。そのほか、『ヨブ記』、『イザヤ書』、『ダニエル書』、『黙示録』等、霊の領域での戦いを描写している聖書の多くの記述から、創造直後は、最高位の御使いの長であったのに、神に反逆して御許から追放されたルシファーことサタンやその手下の堕天使、悪霊の存在する領域があることが明らかです。それが、第二の天のようです。

2021年6月25日、米国国防総省ペンタゴンは、米軍が遭遇した原因不明の未確認空中現象(UAP)、―米軍は、異星人が地球を訪れるという主張に付随した汚名を避けるために、部分的に従来のUFOをUAPに変更― の報告書を議会に発表し、地球圏外起源の生命体の可能性を排除しませんでした。かつてスプーン曲げで一世を風靡したイスラエル人ユリ・ゲラーは、この報告記事の中で、超常能力を認められた彼が数年来、米国人とともに地球外生物(ET)と連絡を取っていることを明かしています。オバマ氏、トランプ氏、ネタニヤフ氏を含め、すべての世界の指導者たちは、このことを知っているはずと述べていますが、7月8日に公表されたこの報告書に関する記事には、UAPに関する以下のような特徴が記されていました。

提出された国防総省のUAP報告書は、2004年から2021年の間に米軍の飛行士による観測を含む144件の中でも、主に過去二年間の調査を特別作業班(UAPTF)がまとめたものでした。しかし、「十分な特異性」がないため、UAPTFは一件しか決定的な説明ができず、残りは原因不明のまま残されたのでした。報告書の中で18件は、目撃者により「UAPの異常な動きのパターン、あるいは、飛行特性」が報告され、異常な行動とは、風に向かって静止状態を保ったり、風に逆らって動いたり、巧みな操縦で急に機動したり、識別可能な推進手段がないのに、かなりの速度で移動するように見えた、というものでした。また、11件では、飛行士はUAPとの危険なニアミスを報告しています。

9ページに及ぶ報告書の結論は、現在のところ、報告されたそれらの物体のいずれも、米国の秘密兵器計画に関連するものであるとか、外国の敵対者によって開発されたものであるというような証拠は全くない、というものでした。UAPの目撃情報が米軍基地付近に集中している点に関しては、多分に、さまざまな類の収集の偏りの結果のようです。

また、ほとんどのUAPは、レーダー探知機、赤外線センサー、電気光学装置、武器の捜索者や視覚的な観測を含む、さまざまな方法によって検出されたので、まず物理的な物体である、とみなされるようです。さらに、UAPにはおそらくさまざまなタイプがあり、あたかも高度な技術力を表示、宣伝しているかのように見える異常な飛行特性を示していることから、センサーの誤認識、だまし、観測者の誤解の結果という可能性もぬぐい切れず、さらなる厳格な追加分析が要求される、とされています。

未だに納得のいく説明がなされていないUAPは、今日、ますます混雑を極めている空の飛行安全に危険をもたらだけでなく、特に、もしUAPが外国の敵によって開発されているとすれば、国家安全保障への挑戦にもなり得るので、米国は、より多くの情報を集め、分析し、報道を統合し、報告の審査と処理をより効果的に行う方法を開発する必要があると、軍事基地への勧告がなされているようです。

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果たして、UAPTFが未解決のまま残した未確認物体の正体は何でしょうか。

目撃された飛行特性は、冒頭に引用した天界の被造物、エゼキエルが目撃した「生きもの」に似ています。ケルビムは神の御座を支え、神の御旨のままに自由自在に動き、仕えている聖なる生き物ですが、天界の被造物にこのような飛行特性があるとすれば、第二の天を領域としている悪霊にもそのような挙動が備わっていることは十分考えられます。神はご自分との特別な関係に生きる唯一の生き物として人を創造し、地球を人の棲息する場所として与え、聖書は地球以外に有人惑星はないことを示唆しているので、もし、人に似た異星人なる生き物が存在するとすれば、サタンの支配下にある悪霊以外にないことになります。

聖書は至る所で、棲息地を求めて、人の内に住みこもうと求めている悪霊が人間社会の諸事に干渉することを語っています。ノアの時代の大洪水で死滅し、身体を失ったネフィリムの霊、―神の創造外のハイブリッドの死後、行き場なくさ迷っている霊が悪霊の正体― は究極的にサタン、堕天使とともに神によって滅ぼされるまでは、諸々の手段を通して人への接近を試み続けているのです。