ドナルド・トランプ氏の四十五代米国大統領選出の聖書的考察
ユダヤ教ラビ、ユダヤ教徒、聖書を信じるキリスト者の間で、トランプ氏は、グローバル化を推し進めてきた堕落したこの世の体制を修復する器として神が選ばれたとの期待が、数秘術をも含めたさまざまな理由を根拠に高まっている。2017年1月20日に就任するトランプ氏を通して、神はどのように御旨を実現されるのだろうか…
唯一の愛読書として聖書に親しみ、娘夫婦がユダヤ教徒というトランプ氏、二千五百年前に神が選ばれた器、ぺルシャ王クロスがユダヤ人を助け、エルサレム神殿再建に尽力したように、来年はエルサレム第三神殿建築が具現するのだろうか…
天よ。喜び歌え。主がこれを成し遂げられたから。地のどん底よ。喜び叫べ。山々よ。喜びの歌声をあげよ。林とそのすべての木も。主がヤコブを贖い、イスラエルのうちに、その栄光を現されるからだ。
あなたを贖い、あなたを母の胎内にいる時から形造った方、主はこう仰せられる。『わたしは万物を造った主だ。わたしはひとりで天を張り延ばし、ただ、わたしだけで、地を押し広げた。わたしは自慢する者らのしるしを破り、占い師を狂わせ、知恵ある者を退けて、その知識を愚かにする。わたしは、わたしのしもべのことばを成就させ、わたしの使者たちの計画を成し遂げさせる。
エルサレムに向かっては、『人が住むようになる』と言い、ユダの町々に向かっては、『町々は再建され、その廃墟はわたしが復興させる』という。淵に向かっては、『干上がれ。わたしはおまえの川々をからす』と言う。わたしはクロスに向かっては、『わたしの牧者、わたしの望む事をみな成し遂げる』と言う。エルサレムに向かっては、『再建される。神殿は、その基が据えられる』と言う。」 イザヤ書44:23-28
2016年11月9日、ドナルド・トランプ氏が米国の第四十五代大統領に選出されました。選挙予測で定評のあるサイトをも含め、メディアの予測を大きく裏切ってトランプ氏がヒラリー・クリントン氏に勝利したことに対し、なぜ予測が大きく外れたかの事後分析の中でメディアの「思い込み」が指摘されていました。主要メディアがひどく誤った情報を伝えたか、あるいは、選挙結果に影響を与えるような情報を意識的に流した可能性を指摘する見解もありました。
正確な情報を伝えるべきこの世のメディアが、世界を支配する黒幕によって買収されていることは知る人ぞ知る既成事実ですが、世界の一体化を掲げるグローバリズムの危険を察知し、その圧倒的な波に逆らって立つことのできる人物として、当選直後から、トランプ氏は大きな期待を集め始めています。
ワシントンの大統領府を過去何十年間も支配してきた政治的エリート層の支配下で、公民権を奪われてきた労働者階級の庶民の間に高まっていた反体制の霊が、今回の異例な大統領誕生で呼び覚まされ活気づいたかのようで、まさに背後で神が「知恵ある者を退けて…わたしの使者たちの計画を成し遂げさせる」と言明されているかのようですが、これは世界的に広まっている風潮のようです。
英国では、今年6月23日の国民投票で世界中の予想に反し、EU離脱が英国民の意向として確定しました。この動きの原動力は、欧州連合本部が定める法律の遵守と体制への服従を迫られ、公民権を奪われ、無力さを感じていた英国の群衆たちの間に高まった反体制の霊でした。今、この動きはヨーロッパ全土に及び、ついには欧州連合の分裂に至るのではないかと懸念されているほどで、12月4日のオーストリアの大統領選挙で、この動きが一層明白になるのではないかと言われています。
イスラエルは首相をはじめ国を挙げてトランプ氏が指揮する米国の新政策に最も期待を寄せている国ですが、トランプ氏の勝利は、ユダヤ教のラビたちによってすでに予告されていました。ユダヤ教の神秘主義者たちによって、トランプ氏の当選は数世紀も前に預言されていたとのことで、ユダヤ人たちの間では今回の結果はまさにその成就、神の御手によるものと信じられています。
イスラエルの指導的ラビたちの間では、トランプ氏とロシアのプーチン大統領の両者を、二千五百年前バビロンからユダヤ人を解放、祖国への帰還を許し、エルサレム神殿再建の勅令を出し、ユダヤ人を助けたペルシャ王クロスになぞらえて、新体制に期待する動きが高まっています。
冒頭に引用したイザヤ書のくだりは、神がだれも信じることができない、びっくりするような新しいことを起こそうとしておられることを告げています。それは異邦人王クロスによるイスラエル人の本国帰還と神殿建設の預言ですが、ダビデの血筋のメシヤによるイスラエル王国の復興をも含蓄した遠未来預言でもあるのです。
イスラエルの宗教的、政治的自治組織サンヘドリンは、エルサレムをユダヤ人の相続地として支持する表明をした両者に、「今日の政治的状況を鑑みるとき、世界の最も重要な指導者二人が、エルサレムに対する霊的遺産としてのユダヤ人の権利を支持することは、歴史的に先例のない出来事になるでしょう」と、世界中のすべての人々に益をもたらす企画、―エルサレムの聖なる神殿の丘に聖なる神殿を建てること― を成し遂げるために、ともに働いてほしい旨、訴える手紙を送ったとのことです。神殿建設の備えがすでにできているイスラエルに対し、トランプ氏とプーチン氏がどのように応答するのか、果たして来年は大きな進展が期待できるのでしょうか。
世界的な福音伝道者ビリー・グラハムの息子フランクリン師も、トランプ氏の勝利は神によるものとの声明を、選出確定直後の10日に発表しました。フランクリン師は、今年米国中の各州を巡り、各州都で祈祷会を開いたとき、今年神は何かをされると感じたそうですが、トランプ氏の勝利はまさにクリスチャンの祈りに対する神の答えであったと、ワシントンポストに語り、この世のメディアは選挙結果に驚き、当惑、落胆で反応し、政治評論家は唖然として言葉を失ったが、みな、背後にある神の要因が分かっていないからだ、と指摘したのでした。
ワシントンポストによると、出口調査の結果、白人の福音派クリスチャンの多くがトランプ氏に投票したとのことで、フランクリン師は引き続き、トランプ氏と、副大統領候補にトランプ氏が指名したクリスチャンのマイク・ペンス氏の二人の指導者のための祈りが必要であること、また、二人を支える政府の取り巻きが重要な鍵を握るので、側近に力強いクリスチャンの男女議員が配属されるよう祈っていかなければならないことを強調しています。全クリスチャンは、だれを支持する云々とは無関係に、毎日指導者のために祈るべきで、どの指導者も神の助けと指示が必要で、米国がまことに「神の支配下に置かれた国家」として歩むことができるよう、とにかく祈っていかなければならないのです。
また、9日のフェイスブックに、フランクリン師は次のような興味深いことを記しています。
米国中の何万というクリスチャンが祈った。今年、クリスチャンたちは各州都に、この大統領選挙とアメリカの未来のために祈るため、集まってきた。選挙に向けて、群れでの祈り、家族での祈り、教会での祈りが始められた。ついに投票日、クリスチャンは投票所に行った。そして、そこに神が顕れた。メディアは頭をかきむしって、いったいどうしてこんなことになったのかを理解しようとしているが、私は、火曜日(8日)の夜、神を信じない無神論の議事項目が進められ、私たちの国がその支配下に置かれるのをとどめるため、神が御介入されたと信じている。神がもう一度アメリカを祝福してくださるように、これが私の祈りです。
トランプ氏の勝利について、米国フロリダ州の退職したクリスチャン消防士マーク・テイラーが五年も前に預言していたことがカリスマニューズ(CHARISMANEWS)に記載されていました。以下はその概略です。
2011年4月、マーク・テイラー氏は、米国の未来について主から言葉を受けた。そのとき神は、ドナルド・トランプ氏を、合衆国を「栄誉、尊敬、復興」へと導くために選んだと言われたのであった。この預言をテイラー氏は五年後に、主が示された数人の人たちと、トゥルニューズのインタビューでこの世に告げた。トランプ氏が勝利し、テイラー氏が預言したことのほとんどが立証された時点で、テイラー氏は再びトゥルニューズに招かれ、預言の全容が明らかにされることになった。
テイラー氏は開口一番、「神は行うと言われたことをすべて、成し遂げられた」と、「預言の霊」なるイエス・キリストに栄光を帰し、これは自分個人についてではなく、預言であれ、執り成しであれ、祈りであれ、断食であれ、チームとしての教会、―キリストのからだ― の努力によるものであることを強調した。
しかし、同時に、テイラー氏は「キリストのからだ」に向け、最初の戦いに勝利したが、まだ全戦いは終わっていない、と警告を発した。トランプ氏は大統領に選出されたが、まだ宣誓を終えていない。敵は、トランプ氏に対する妨害を数回試みるが成功しない。しかし、テイラー氏は特に、米国高官層の根深い堕落と霊的邪悪さを根こそぎにする浄化のためには手ごわい霊的反対があることを、クリントン氏のキャンペーンにオカルトの儀式が関わっていたことを挙げて警告した。
神は覆いを取り除き、現存の政府の邪悪さと堕落ぶりを暴かれるおつもりであること、また、主は国際的レベルで、神の義がもたらされる法廷の召喚を望んでおられることをテイラー氏は語ったが、堕落の暴露はほんの序の口で作業が終わるまで数年間を要すること、トランプ氏の任期中続くであろうことをほのめかした。
テイラー氏は、最初のインタビュー時、4月の時点で実際の人物名を挙げて、最高裁判所の三人が辞職させられることを告げていたが、神が「ご自分の木」から最終的に五人の新任裁判官を選ばれることを11月11日の時点で告げた。堕落の根絶やしは政府内だけにとどまらず、教会にも及び、道徳的に堕落した指導者が根絶され、聖めが行われる。米国の税コードのジョンソン改定は、テイラー氏によれば、悪魔的な代物で、根絶はここから始められる、との予告である。
すでに神の真理の啓示が完成し、そのすべてが記された聖書が行き亘っている今日、神がキリスト者個々人に示される預言は旧約時代の預言者たちに与えられたような権威ある預言ではないこと、自身の思いが多分に混入する可能性があることを明記したうえで、2011年のテイラー氏の預言の一部をご紹介すると、
神の御霊は言われる。わたしは、イスラエルにベニヤミン・ネタニヤフを選んだように、ドナルド・トランプを合衆国に選んだ。アメリカはイスラエルを除き、地上の最も強力、富んだ国家として再び尊敬される。…敵は、私が油注ぎをしたこの人を恐れ、身震いする。…敵は、彼は我々の策略と計画を知っている、彼をどうしてとどめよう、と言う。…御霊は言われる。…わたしが始めたことをだれもとどめることはできない。…イスラエルは再びアメリカによって守られ…かつてなかったように繁栄する。…わたしはイスラエルとアメリカを守ろう…
と、無条件の祝福の約束を語っていますが、神の祝福は受ける側の悔い改めを条件として授けられるという聖書預言の原則に則れば、要注意です。また、メシヤご自身がこの世に来られないかぎり、人の努力では真の平和と繁栄は実現しないことを明確に打ち出している聖書の啓示に照らすと、テイラー氏の預言には希望的観測が多分に盛り込まれているようです。
2017年、神の御旨はどのように実現するでしょう。預言の全容は上記のサイトをご覧ください。