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第322号  黙示録8:1、10:7、11:15-18、16:17-21

世の終わりに滅ぼされる「地を滅ぼす者たち」とは?

人間原理に基づいて神が備えてくださった従来の地球環境が大リセットに向けて取って代わられてきている…新世界秩序を掲げる「エコ・テロリズム」の動き…

子羊が第七の封印を解いたとき、天に半時間ほどの静けさがあった。

…第七の御使いが吹こうとしているラッパの音が響くその日に、神の奥義は、神がご自分のしもべである預言者たちに告げた通りに実現する。」

…第七の御使いがラッパを吹いた。すると大きな声が天に起こって、こう言った。「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。」

すると、神の御前で自分たちの座に着いていた二十四人の長老たちが、ひれ伏し、神を礼拝して言った。「私たちはあなたに感謝します。今おられ、昔おられた全能者、神である主よ。あなたは偉大な力を働かせて、王となられました。諸国の民は怒りました。しかし、あなたの御怒りが来ました。死者がさばかれる時、あなたのしもべである預言者たちと聖徒たち、御名を恐れる者たち、小さい者にも大きい者にも報いが与えられる時、地を滅ぼす者たちが滅ぼされる時です。」

…第七の御使いが鉢の中身を空中に注いだ。すると大きな声が神殿の中から、御座から出て、「事は成就した」と言った。そして稲妻がひらめき、雷鳴がとどろき、大きな地震が起こった。これは人間が地上に現れて以来、いまだかつてなかったほどの、大きな強い地震であった。あの大きな都は三つの部分に裂かれ、諸国の民の町々は倒れた。神は大バビロンを忘れず、ご自分の激しい憤りのぶどう酒の杯を与えられた。島はすべて逃げ去り、山々は見えなくなった。また、一タラントほどの大きな雹が、天から人々の上に降った。この雹の災害のために人々は神を冒涜した。その災害が非常に激しかったからである。         黙示録8:1、10:7、11:15-18、16:17-21、下線付加


イエス・キリストはしもベヨハネに世の終わりに起こる裁きをそれぞれ七つの「封印」、「ラッパ」、「鉢」で示されました。七部構成の裁きの最後、第七の封印、第七のラッパ、第七の鉢はすべて同じ現象への言及で、

「神の奥義(の)実現」、「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される」、「事は成就した」

と語られているように、この世が裁かれ滅ぼされた後実現するイエス・キリストの御国を描写しています。第七のラッパが鳴り響いたとき、天界の御座に着いていた二十四人の長老、―人類史のすべての神のしもベを代表― は御前にひれ伏し、神を礼拝して、異口同音に六つのことを語りました。

1.千年支配の神の国が到来する

2.全異邦人諸国が創造者なる真の神に従う

3.神の怒りが敵の上に下る

4.旧約時代の聖徒をはじめ、主にあって死んだ者をも含めすべての信徒が甦り、報酬を受ける

5.神に反逆した者たちは滅ぼされる

6.千年支配のメシアの御国の後、人類史、すべての時代の死者が「大きな白い御座」の前で裁かれる

長老たちは、これら神の約束が成就したことを感謝したのでした。

5.の反逆者たちの滅びに関しては、黙示録19:20-21に、

獣は捕らえられた…獣の前でしるしを行い、それによって獣の刻印を受けた者たちと、獣の像を拝む者たちを惑わした偽預言者たちも…硫黄の燃える火の池に投げ込まれた。残りの者たちは…鳥が彼らの肉を飽きるほど食べた

と詳述され、6.の神を信じなかった死者の究極的な裁きに関しては、黙示録20:11-15に、

死んだ人々が大きい者も小さい者も御座の前に立って…自分の行いに応じてさばかれた…いのちの書に記されていない者はみな、火の池に投げ込まれた

と、詳述されています。


長老たちは、黙示録13章の「竜」、すなわち、サタン自身の化身である「海からの獣」と「偽預言者」とも呼ばれる「地からの獣」をも含め、サタンの汚れた三位一体の体制下でサタンの一翼を担う者たちすべての究極的な滅びを、「地を滅ぼす者たち」の滅びとして語っています。この表現には、昨今の世界情勢の異常な方向性に目を留めるとき、預言的な深い洞察が感じられます。

神は、イスラエルの民がこの世の労働から離れ、一週間の最終日、神との休息に入る「安息日」を定められ、地にも七年ごとに一年間耕作から解放し、休ませる「安息年」を定められました。イスラエルの民がカナンの地に農耕作民として定住して以降、この掟が守られることになっていましたが、収獲からの利潤を上げることが優先され、ほとんど守られなかったのでした。そのため、七十年間地を休ませるために、民はバビロン捕囚に追い立てられたのでした。これは「地を滅ぼす」行為で、民に神の裁きが下った、古典的な例です。

しかし、黙示録は世の終わりの「地を滅ぼす者たち」の滅びを語っています。二年半前勃発したコロナ禍以降、疫病、戦争のうわさ、戦争、干ばつ、飢饉、死…と、黙示録の「封印」の裁きが始まった今日、この世は確実に終焉に近づいています。現在世界中で起こっている動きを鑑みるとき、この「地を滅ぼす」行為の意味が絞られてきてたように思います。


1990年頃から始まり、欧米の先進国で無視できなくなっている、新世界秩序を掲げる「エコ・テロリズム」の動き、―環境に害を与えるとみなされる活動を阻止するとの名目で続発している、放火、爆破、略奪、脅迫、誘拐、器物損壊、傷害などを伴う過激な破壊活動― があります。

「動物愛護運動」、「化石燃料排斥、グリーンエネルギー運動」、「地球温暖化阻止」など、一見、目的の崇高さとは裏腹に、目的達成のためには暴力であろうと、インフラ、工場、倉庫の大規模破壊であろうと、手段を選ばない行為が国家の政策として公然と取られ、人間原理に基づいて神が備えてくださった従来の地球環境が大リセットに向けて取って代わられてきているのです。

人が地球と動植物を破壊していることは、海に生息する生き物、昆虫、鳥の大規模な死の急増、何十億ものマイクロプラスチック粒子による海の汚染、90%の海のプランクトンの消滅、飲食物と空気の有毒化、農場の化学肥料、医薬品による化学汚染等々で明らかです。世界海洋環境調査団(GOES)は環境災害が拡大していることを警告しています。世界の開花植物の3/4と世界の食用作物の1/3が、花粉媒介する昆虫に依存しているそうですが、過去五十年間で昆虫の75%、北米の鳥の30%(合計30億羽の鳥に該当)が死滅したと報告されています。

世界の他の地域では事態はさらに悪く、どの鳥も生態系とペスト、炭疽菌、狂犬病などの病原体を抑制する助けをするので、アフリカで禿鷹や鷲など猛禽類が90%近くも減少しているとの報告は憂慮すべきことです。米国の最近の研究では、子どもと大人の80%以上の尿中に除草剤の有効成分グリホサートが発見され、癌を誘発する残留農薬が食物に混入していることが明らかになっています。

また、1990年代後半から2000年代初頭にかけてソーラーパネルが導入され、一世を風靡しましたが、最も最初のパネルがライフサイクルの終わりに達した今日、太陽光発電廃棄物処理の問題が起こっています。米国では廃棄パネルの10%だけがリサイクルされ、膨大な量の残りの廃棄パネルは埋立地に放棄され、鉛やカドミウムなど種々の有毒金属で地下水を汚染し、安全に処分できない環境問題を起こしています。環境にやさしいグリーンエネルギーを生み出すパイオニアだったはずが、結果は正反対です。

植物の生長に不可欠なCO2など温室効果ガスを有害とみなし、家畜や人口の削減、地球全体の石炭、石油などの化石燃料インフラ、原子力発電の完全な解体を求めるグリーンエネルギー信奉者はまだ風力や太陽光への移行の見通しが立たないうちに、環境の刷新を加速してきましたが、その結果の悲劇は現在、欧州連合が直面しているエネルギー危機です。

また、現在、バイデン政権は米国からの全石油輸出の禁止、石油会社の破産、近海域とパーミアン盆地での石油採掘、探査の禁止、化石燃料の輸入禁止、精油所、パイプライン、掘削リグ等の化石燃料インフラプロジェクトの建設禁止などを要求する「気候非常事態宣言」発動を思案中とのことですが、地球を救う目標達成のために、人間一掃を物ともしない「エコ・テロリズム」のアジェンダに他ならないのです。