TRANSLATE

AD | all

第289号  サムエル記第二15:1-12

世界の宗教指導者結束への動き

ローマ教皇フランシスコは、2020年春、「グローバル教育同盟」と呼ばれるプログラムの履行をはじめ、異なった宗教間の連帯を促進し、世界の霊的指導者が歩み寄る新しい構想世界宗教のための友好協定調印に向けて、世界中の指導者たちに呼びかけています…
その後、アブサロムは自分のために戦車と馬、そして自分の前に走る者五十人を手に入れた。アブサロムはいつも、朝早く、門に通じる道のそばに立っていた。さばきのために王のところに来て訴えようとする者がいると、アブサロムは、その一人ひとりを呼んで言っていた。「あなたはどこの町のものか。」その人が「このしもべはイスラエルのこれこれの部族のものです」と答えると、アブサロムは彼に、「聞きなさい。あなたの訴えは良いし、正しい。だが、王の側にはあなたのことを聞いてくれる者はいない」と言っていた。さらにアブサロムは、「だれか私をこの国のさばき人に立ててくれないだろうか。訴えや申し立てのある人がみな、私のところに来て、私がその訴えを正しくさばくのだが」と言っていた。人が彼に近づいてひれ伏そうとすると、彼は手を伸ばし、その人を抱いて口づけしていた。アブサロムはイスラエルの人々の心を盗んだ。
四年たって、アブサロムは王に言った。「私が主に立てた誓願を果たすために、どうか私をヘブロンに行かせてください。このしもべは、アラムのゲシュルにいたときに、『もし主が私を本当にエルサレムに連れ帰ってくださるなら、私は主に仕えます』と言って請願を立てたのです。」王は言った。「安心して行って来なさい。」彼は立って、ヘブロンに行った。アブサロムはイスラエルの全部族に、ひそかに人を遣わして言った。「角笛が鳴るのを聞いたら、『アブサロムがヘブロンで王になった』と言いなさい。」アブサロムとともに、二百人の人々がエルサレムを出て行った。その人たちは、ただ単に招かれて行った者たちで、何も知らなかった。アブサロムは、いけにえを献げている間に、人を遣わして、ダビデの助言者ギロ人アヒトフェルを、彼の町ギロから呼び寄せた。この謀反は強く、アブサロムにくみする者が多くなった。
サムエル記第二15:1-12、新改訳2017


ローマ教皇フランシスコは「グローバル教育同盟」と呼ばれるプログラムを2020年5月14日に開催することができるよう推奨したいと、9月12日に公開された動画で話しました。これは全世界の青少年に対し、各国の教育制度を通して教化、精神制御を履行すべきであるというバチカンの意向を表明した最新計画です。
教皇のイタリア語でのメッセージをユーチューブで聞き、字幕で大意を知ることができますが、翻訳に伴うあいまいさを補足、意訳したジェイムズ・ベイリー氏の英訳を邦訳すると、教皇のメッセージは次のようになります。[動画サイト:z3news.com

ローマ教皇のメッセージ(意訳)

親愛なる兄弟姉妹の皆さま、私の回勅「ラウダート・シ」で私は、私たちの共通の家の世話にすべての人の協力を呼びかけました。私たちが直面する課題の緊急性を理解するために、現実をより広くより深く理解する心と、心を開く教育に焦点を当てる必要があります。
私たちには、新しい普遍的な連帯と新しいヒューマニズムの発展を目指した教育の世界的盟約が必要です。そこで私は、2020年5月の世界的なイベントを推奨したいと思います。
多くの人々が私の世界政府に対する検討課題に抵抗し、愚かにも自分自身の自由を求めている今、私たちは、若者の教育をコントロールする努力を倍増しなければなりません。プロテスタント宗教改革以前の古き良き時代にそうであったように、若者たちはバチカンの主権に服従すべきなのです。すべての変化は、自分自身のために考える機会をだれにも与えることがないように、完全な教化と精神制御を要求します。その変化について皆さんの考えることを制御しなければ、変化を生み出すことはできないのです。
私の忠実な追従者の一人、ヒラリー・クリントン女史はあるスピーチの中で、「子どもの教育には村全体が必要です」と言いましたが、私たちはそのような村を作らなくてはなりません。私たちはいっしょに世界中の若者の心の中のすべての思考を制御し、バチカンのためのより良い未来を構築することができるのです。
最近、私がアブダビのアル・アズハルのグランド・イマームと署名した文書中で述べたように、特にキリスト教徒から思想の自由と言論の自由を排除するために、まず土壌が聖められなければならないのです。

私たちは、私たちの世界的な支配を進んで受け入れたいとの意向のすべてに、この世界的な教化プログラムが浸透する方法を見つけなければなりません。それはすべての研究、すべての世代の日常生活、特に社会の知的、科学的、ビジネス、慈善の局面すべての教師、学生、家族と市民に対する、私たちの支配を含みます。
私たちは、私たちが全世界を支配するにあたり、教育が私たちに人間家族のすべての人々を完全に制御し、ついにはバチカンの支配体制の下ですべての宗教を結びつける私たちのゴールを達成するための助けになるように、私たちは、すべての人々が全地球の住民と私たちの共通の家、また、母なる大地との間の同盟を受け入れることを確かめる必要があります。
私たちは、全世界が私たちのコントロールの下にあってより良いと信じるように、教え込むことができるよう、すべての国の教育プロセスを制御しなければなりません。それは、彼らは自分自身で生き残ることはできないので、たとえ成長と進歩の全面的な破壊を必要とするとしても、私たちは、経済や政治を含むほかの分野に関して私たちの制御を増し加える他の方法を見つける必要があるからです。
バチカンに仕えるのが良い考えだと彼らに信じさせるには、私たちは勇気を奮って、すべての個々人の考えを支配する必要があります。このため、私はローマで皆さんとお会いし、この教育同盟をともに促進することを楽しみにしています。
私は、未来の世代を教育するデリケートな部門ですでに従事している私たちの世界の権威ある公人を支配するために、何であれ必要なあらゆることを行うあなたがたの努力に同調します。
私は、彼らが私たちの要求することを行うか、あるいは、削除されることになるかのいずれかであることを確信しています。
私は、あなたがたがすぐに実行しなければならず、恐れることなく変化のプロセスを引き受けなければならない解決策を提供しました。あなたがたお一人おひとりがこの同盟に専念されることをお勧めします。私たちの会議はローマで2020年5月14日に行われます。
私はあなたがたにお会いすることを楽しみに、ご挨拶と祝福を送ります。


翻訳を通して、教皇の原意を正確に推し量ることはできませんが、メッセージを意訳したベイリー氏は、次のように解説しています。「教皇は、バチカンの掲げる世界的な議題に世界諸国が服従する必要があること、また、未来を担う若者の心を制御して、バチカンの指示に抵抗することなく世界中が連帯することが新しい人本主義であると力説しているが、この教皇の主張は、神への信仰が新しいヒューマニズムを通して人を信じることに置き換えられる、という主張以外の何ものでもない」と。

教皇がメッセージの中で言及した、アブダビのアル・アズハルのグランド・イマームとの間で署名した文書は「人類友愛のための文書」で、このことは2019年2月4日の記事で取り扱われました。
世界平和のための友好協定と銘打ったバチカンの動きは昨年から富に活発化しているようで、目標は2020年6月にオランダのハーグで予定されている世界宗教のための友好協定に置かれています。異なった宗教間の連帯を促進し、世界の霊的指導者が歩み寄る新しい構想は、カーネギー財団とイライジャ・インターフェイス研究所の二つの機関の支援で、最終的に、教皇、グランド・ムフティ、ダライ・ラマのような世界的宗教指導者が友好宣言に署名することに向けて着実に歩みだしています。
イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、仏教、ヒンズー教、シーク教の指導者たちは、この構想に積極的に応答したとのことで、来年の歴史的な宗教巨頭会談の組成に向かって、世界中のさまざまな組織や国々も条約起草に従事しており、多方面から資金の約束もなされており、世界中が宗教指導者たちの初めての会談に期待を寄せています。
協定が結ばれることになっている平和宮殿は、オランダのハーグの国際法の建物で、そこには国際司法裁判所、常設仲裁裁判所、ハーグ国際法アカデミー、平和宮殿図書館も収容されています。
聖書に預言されている終末末期の世界統一宗教への動きが、今日、目に見える形で具現し始めているのであれば、聖書の預言の正確さが立証されることになり、その他の預言も無視できない、必ず成就することになるのです。

聖書から洞察を得る

冒頭に引用したくだりは、ダビデ王が最愛の息子アブサロムの陰謀によって都落ちをせざるを得ない状況に追いやられた成り行きの叙述です。
アブサロムはダビデの長子アムノンを忍耐強く二年待って殺害した後、四年かけてダビデ追放の計画を綿密に立て、ついに成功させました。
アブサロムは戦車と馬を入手したイスラエルの最初の指導者で、彼はまず防備を固め、大々的な遊説と努力で人心を掌握する方策に乗り出しました。自らの存在感を植えつけるため、早朝から庶民の便宜を図る立ち回りを如才なくし、人々の気に入られるような自己宣伝を心掛けたのでした。庶民の不平不満を法的に解決できる者は自分以外にだれもいないと思わせ、情愛を示す行為で次第に大衆の支持を得、ダビデから人心を引き離すのに成功したのです。

ダビデが首都をヘブロンからエルサレムに移したことに対し快く思っていなかったヘブロンの住民やネゲブの部族たちの心情を十分計算に入れたアブサロムの革命は、ダビデに崇敬されていた有能な主任顧問のアフィトフェルを如才なく味方に引き入れ、都を流血騒ぎに至らせることを避けたダビデの都落ちによって平和裏に遂行されました。
アフィトフェルのダビデへの反逆は、ダビデ自身が詩篇で心痛を訴えたように、信頼していた友による疑いもしなかった裏切りでした。しかし、アフィトフェルが、孫娘バテ・シェバの夫ウリヤを計画的に殺害し、バテ・シェバを妻にしたダビデに対して必ずしも快く思っていなかったことが、裏切り行為で表面化したのであり、そこまで人心を読んで、計画を遂行したアブサロムは実に抜け目のない陰謀者でした。
しかし、神の御旨はそこにはなく、アブサロムは不名誉な最期を遂げます。対照的に、不面目な都落ちに続き生命の危険に瀕しても、非を神や人に着せることなく、自分の罪と認めたダビデを神は愛され、後に王位に戻されました。

同じように、世の終わりこの世は不義な者たちによって一時的に支配されることになりますが、究極的に神は真偽の決着を下され、預言通り神の御旨だけが永久に成るのです。