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フレデリックの手紙:2015年5月13日

ブルンジのクーデター、未遂か

フレデリックの手紙が届いた同日の5月13日、ブルンジの前大統領府情報機関長官ゴドフロア・ニヨンバレ少将が、ピエール・ヌクルンジザ大統領追放のクーデターを宣言。大統領は、近隣諸国首脳会議に出席のためタンザニア滞在中の出来事。
14日にかけて、首都ブジュンブラは、クーデター部隊と大統領派の鎮圧部隊との衝突で騒然となり、死傷者も出ました。

2015年5月13日

フルダミニストリーの皆さま

お元気のことと思います。
さて、首都ブジュンブラに至るルモンジ道路沿いのキベンガの近くにある私のオフィスに向かう途中、デモ隊による投石で私の車のフロントガラスが割れました。
恐ろしい事件に遭遇しましたが、私を含め、同乗していた人々に怪我はありませんでした。神さまはほむべきかな!
現在、タンザニアのダルエスサラームでブルンジ情勢を検討、解決するため西アフリカ諸国のトップが集まって交渉が進行中です。
どうか私たちのためにお祈り下さい。

主に在って

フレデリック ハレリマナ

その後

AFP時事通信によると、14日、所在不明と報道されていたピエール・ヌクルンジザ大統領は帰国。大統領派の部隊が事態を掌握していることが伝えられ、現15日時点で、ニヨンバレ少将の副官は「クーデター失敗」を認めたとのことです。
今回の流血沙汰は、大統領三選を巡っての見解の相違がきっかけとなった政治的な不満の勃発でしたが、今後、ブルンジの圧倒的多数派フツ族と少数派ツチ族の民族対立につながりかねない不穏な要因が国内にはくすぶっていると懸念されています。
今回の大統領選に先立って、デモ隊による抗議行動が活発化する中、七万人ほどが隣国のコンゴ、タンザニア、ルワンダに避難したとのこと(フレデリックの4月26、28日の手紙でも言及)で、国民は二十年前の悪夢の再来を恐れています。

ブルンジはこの民族対立から、十二年間(1993年から2005年)の市民戦争に発展し、三十万人の生命が失われたのでした。
戦禍からの復興途上にある、世界最貧国ブルンジのためにお祈りください。