TRANSLATE

AD | all

第304号  申命記30章

災い、疫病を通して悔い改めを迫られる神

COVID-19から、より伝染力、致死率の高いコロナの新変異種への移行、惑わす霊の横行で始まった2021年… さらに展開されていく諸出来事によって、だれもが神の御旨、神の視点からの是非、―裁きか憐れみか― を明確に知ることになろう…

私があなたの前に置いた祝福とのろい、これらすべてのことがあなたに臨み、あなたの神、主があなたをそこへ追い散らしたすべての国々の中で、あなたが我に返り、あなたの神、主に立ち返り、私が今日あなたに命じるとおりに、あなたも、あなたの子どもたちも、心を尽くし、いのちを尽くし、御声に聞き従うなら、あなたの神、主はあなたを元どおりにし、あなたをあわれみ、あなたの神、主があなたを散らした先の、あらゆる民の中から、再びあなたを集められる… あなたの神、主はあなたの先祖が所有していた地にあなたを導き入れ、あなたはそれを所有する。主はあなたを幸せにし、先祖たちよりもその数を増やされる。あなたの神、主は、あなたの心と、あなたの子孫の心に割礼を施し、あなたが心を尽くし、いのちを尽くして、あなたの神、主を愛し、そうしてあなたが生きるようにされる。あなたの神、主はあなたの敵に、あなたを迫害した、あなたを憎む者たちに、これらすべてののろいを下される。あなたは再び主の御声に聞き従い… 主のすべての命令を行うようになる…

まことに、私が今日あなたに命じるこの命令は、あなたがたにとって難しすぎるものではなく、遠くかけ離れたものでもない。これは天にあるわけではないので、「だれが私たちのために天に上り、それを取って来て、私たちが行えるように聞かせてくれるのか」と言わなくてよい… まことに、みことばは、あなたのすぐ近くにあり、あなたの口にあり、あなたの心にあって、あなたはこれを行うことができる…

私は今日、あなたがたに対して天と地を証人に立てる。私は、いのちと死、祝福とのろいをあなたの前に置く。あなたはいのちを選びなさい…まことにこの方こそあなたのいのちであり、あなたの日々は長く続く。あなたは、主があなたの父祖、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われたその土地の上に住むことになる。    申命記30章

シナイ山で結ばれた最初の契約がイスラエルの民の不忠実によって破られた後、モーセが人生の終わりにモアブの地で、再度神への献身を呼びかけ結ばれたのが申命記29、30章の契約更新「パレスチナ契約」です。30章には、呪い、―捕囚、国外四散― の先に究極的なイスラエルの復興が予見されています。神の贖いのご計画は、イスラエルの不忠実、堕落のゆえに挫折させられることはなく、イスラエルの残りの者によって必ず実現することが

いのちを選びなさい

と熱く語るモーセの言葉によって締めくくられています。

モーセは11-14節で、契約が要求する神の教えは隠されていることではなく、顕され、記された啓示なので、だれでも理解でき、服従できることであると諭しています。イスラエルの民に課せられたのは、届かないような高いところに隠されている奥義への挑戦でも、克服できない障害を乗り越える負荷でもなく、神に従順に従う「心」です。そのとき、神の憐れみの祝福が注がれるのです。

使徒パウロはローマ人10章で『申命記』のこの箇所を取り上げ、イスラエルの民に顕された御教え「みことば」を、受肉された言葉「キリスト」と解釈し、救いはキリストにあり、キリスト信仰に生きることを奨励しています。


聖書は、神の民が神の掟から離れ、神ご自身にとって代わるすべての偶像(心が奪われるこの世のすべての物事を含む)を第一優先とするようになるとき、神の裁きが下ることを至るところで警告しています。滅ぼすためではなく、歩むべき道から外れていることに気づかせ、悔い改めて神に立ち返るようにと、民の霊の覚醒のためです。聖書には災いを通して立ち返った例と反逆を続けて滅ぼされた例との両方が記されています。

ユダヤ教のラビやユダヤ教徒は天災、人災に関わらず、ユダヤ人に降りかかる災い、また、この世に起こる災いを神の声として捉え、自分たちが聖書のどの時点に立っているかにいつも注意を払っています。同じように、聖書を信じるキリスト者もキリストご自身が

あなたがたは地と空の様子を見分けることを知っていながら、どうして今の時代を見分けようとしないのですか(ルカ12:56)

と注意を喚起されたように、主がご自分の再臨までに起こることとして前もって告知された聖書のすべての預言を吟味することによって時代を知り、今起こっている現象を理解することができます。


2020年に瞬く間に世界的大流行になったCOVID-19は、神の秩序から大きく離れたこの世に対するまさに神の裁きで、神の掟を知っていながら世俗化したキリスト教国やイスラエルに攻撃が集中しました。一年後の2021年初頭から、英国、南アフリカ、ブラジルでコロナの新変異種、―伝染性、致死率がより高く、昨年から摂取が始まったワクチンが後者二種には無効(1月末時点の報告)― が発見され、英国の変異種はすでに60箇国以上に伝染しているという報告が、第二次、第三次都市封鎖に踏み切った国々の現状とともに報道されました。

新変異種の発生と伝染力にワクチンが追いつかないことを予感させる現状は、過去一年間、神の警告が聞かれなかったことを示唆しているかのようです。COVID-19に関しては多くの預言が語られましたが、2020年のイースターごろには終息する等々の希望的観測はすべて外れ、現在はますます先行き不透明な状態になっています。

米国のトランプ大統領の再選に関しても、ほぼすべての預言者と称する人たちによって再選は間違いないと太鼓判が押され、昨年11月3日の時点で選挙結果が出た後も「神の預言者を信じて最後まで祈り続ける必要」が強調され、最後には選挙詐欺の悪が暴かれ、トランプ氏が逆転勝利するとの不正確な預言にあおられて、1月20日まで信徒間で期待と緊張が続いたのでした。


これら預言にまつわる一連の出来事を通して神は多くを語られたように思います。まず、神のすべての啓示がイエス・キリストを通して、また、聖書を通して顕された新約時代には、神は、旧約時代の預言者に匹敵する権威ある真正の預言者を送っておられないことに留意すべきです。信じる者に内住のキリストが宿っておられる新約時代は、預言の賜物を授かった人たちが語ることを、個々人が神との関係の中で、聖書に照らして吟味していく必要があるのです。

すでに暗闇の力が増し、信徒が

惑わす霊と悪霊の教えとに心を奪われ、信仰から離れる(テモテ第一4:1)

世の終わりに突入している今日、個々人は社会的な運動に関わることよりも、執り成し、神の御旨に従順に従うことによって、自身の霊的、身体的「神の守りの押印」(黙示録7:3、エゼキエル書9:4-6ほか)を確実にしておくことのほうがはるかに重要です。

今回の大統領選の背後には大規模、国際的な黒幕の陰謀があり、不正な手段が用いられたことはほぼ間違いないようですが、キリストご自身の例に倣えば、信徒は国家の政策を覆すようには導かれていないようです。自らの信仰を否定せざるを得ないような事態に追い込まれた場合を除いて、ペテロが

人が立てたすべての制度に、主のゆえに従いなさい(ペテロ第一2:13)

と教えたように、信徒は、―神のタイミングのときまで悪への迎合ではなく、忍ぶ忍耐が必要― 権威当局の政策に平和裏に従うことが示唆されているのです。


1月6日、米議会議事堂でトランプ大統領の支持者が暴動を引き起こしたとの報道が主流メディアを通して大仰に流れましたが、実際に関わったのはトランプ支持を装った人たちとのことで、内側から開けられた議事堂内にさも簡単になだれ込み、結果はトランプ支持者の暴動ということで収拾したのでした。このとき暴動をあおったとしてトランプ氏だけでなく、現在、伝道者フランクリン・グラハム師も非難され、所属団体から追放の声が上がっているほどで、キリスト者間に分裂が見られるのが実情です。すべてのユダヤ人やキリスト者がトランプ氏を支援したのではないのです。

2021年はバイデン政権に移りましたが、神の視点からの是非は、今年展開されていく諸出来事に明確に現れていくのではないかと思います。


正確な予知で著名な、イスラエルの神秘的なラビ、ニル・ベン・アルツィは、2020年5月27日に説教の中で

イスラエルを愛する創造者なる神は、コロナの疫病を王道(最速道)でもたらされた。神はイスラエルの外地にいるユダヤ人に切に本国帰還を求めておられる。イスラエル外の地は非常に危険で、殺人は止まない。コロナは世界中に広まる

と予告し、その通りになりました。

11月には

この世界的大流行はすぐ変異種の大流行になる。イスラエル外居住のユダヤ人は自分たちには何も起こらないとの幻想に生きているが、ユダヤ人への憎しみは増し、コロナはますます悪化する。米国をはじめ世界中に、ロシアにも新しい変異種が広がる。神の次のステップは贖いとメシア来臨である

と再び疫病に触れ、さらにラビは十二世紀にラムバムがモーセ五書(トーラ)を要約した『ミシュネー・トーラ』を引用して

神を信じない者やメシアの来臨を待ち望まない者は預言者たちの声明だけでなく『トーラ』、また、私たちの教師モーセの声明をも否定する者である。『トーラ』はメシアの来臨を証ししている

と、語りました。


これは、冒頭に引用した申命記30章3-5節に基づいたラムバムの概論で、このメシア信仰はラムバムが樹立したユダヤ教信仰の十三の原則の一つです。メシアの来臨がなければこの世は終焉すると説くラビ、アルツィは四年前から、時代は引き続き困難になり、洪水、火山噴火、火災、過熱、嵐、地震、悪霊等々、神の裁きがますます極まることを告げる一方で、アラブ世界はISISやイランでさえ、イスラエルに危害を加えることはできず、むしろ、贖いとメシア来臨に向けての測り知れない神のご計画の一環を担っていると明言しています。

またラビは、2016年夏に

彼らの剣は自分の胸を貫き、彼らの弓はへし折られる(詩篇37:15)

を引用して、軍事関係者の主張とは裏腹に、ロシアがイランに高度なS-300対空兵器システムを提供しようとイスラエルには脅威ではないと語りましたが、そのことをはじめ、多くの予知がすでに実現しているとのことです。

トランプ大統領に関しては、ユダヤ人国家のために貢献、ゆがめられたすべてのことを修復するために、秘密裏に本当の仕事を成し遂げたと評価しているようです。


あるラビによると、世界的大流行「パンデミック」の語源はギリシャ語「パン/すべて」と「デモ/悪霊」で、この言葉から、すべての悪霊が解き放たれるかのような荒れ狂った騒動、人々を脅かす事件という意味合いが引き出され、この言葉に関わる霊的な暗黒力が現在の世界的危機に現実的な影響を及ぼしているとのことでした。「パン」はかつて半獣半人の多神教の神に由来するとされ、群れや猟師の神、サタンともみなされたといいます。

確かにすべての人類を征服すべくサタンの群れが今日世界中を震撼させているようです。