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第242号  詩篇148篇 

唯一真の造り主なる神の究極的な御目的は、全天、全地、全被造物による神賛美

自然界の被造物は無言で、創造者なる神に栄光を帰し、神のご計画の役割を忠実に担っている。神の定められたときに天空に顕れる人類救済の壮大な絵巻、描画はマクロの世界に刻まれたキリストの救いのわざを思い起こさせるデザイン
ハレルヤ。天において主をほめたたえよ。いと高き所で主をほめたたえよ。主をほめたたえよ。すべての御使いよ。主をほめたたえよ。主の万軍よ。主をほめたたえよ。日よ。月よ。主をほめたたえよ。すべての輝く星よ。主をほめたたえよ。天の天よ。天の上にある水よ。彼らに主の名をほめたたえさせよ。主が命じて、彼らが造られた。主は彼らを、世々限りなく立てられた。主は過ぎ去ることのない定めを置かれた。地において主をほめたたえよ。海の巨獣よ。すべての淵よ。火よ。雹よ。雪よ。煙よ。みことばを行うあらしよ。山々よ。すべての丘よ。実のなる木よ。すべての杉よ。獣よ。すべての家畜よ。はうものよ。翼のある鳥よ。地の王たちよ。すべての国民よ。君主たちよ。地のすべてのさばきづかさよ。若い男よ。若い女よ。年老いた者と幼い者よ。彼らに主の名をほめたたえさせよ。主の御名だけがあがめられ、その威光は地と天の上にあるからだ。主は、その民の角を上げられた。主のすべての聖徒たち、主の近くにいる民、イスラエルの子らの賛美を。ハレルヤ。                 詩篇148篇
十一月に入り、聖書的に推し量られたシナリオ通り、暗いニュースがマスコミをにぎわし、いつ降りかかるか知れない災い、死に対する脅威と恐怖が人々の心を占めはじめています。このような動乱の時代、私たちは何に信頼、依存すればよいのでしょうか。神を信じて力強く生きた先達は、現実に目を奪われるのではなく、背後におられる創造者なる真の神の約束を信じて、
「ああ、私に、生ける者の地で主のいつくしみを見ることが信じられなかったなら―― 待ち望め。主を。雄々しくあれ。心を強くせよ。待ち望め。主を」(詩篇27:13-14)
と自らを励ましつつ、生きてきました。今月は、私たちも、唯一真の神の約束がいかに信頼に値するものであるかを、神が巨視的世界から微視的世界に至るあらゆるところに創造の初めから置かれた驚くべきしるしを見ることによって、その確信、神の人類救済のご計画が確かなものであることを今一度、銘記することにしましょう。

ラミニン

フルダレター159号で、神が置かれた微視的なしるしとして、驚くべき「ラミニン」について考察しました。ラミニンは昆布やわかめなどの海藻類に含まれているたんぱく質で、多くの効用が注目されています。動脈の血管壁の強化、動脈硬化の予防、血圧を下げる効果、また、紫外線や乾燥による外的ストレスに加え、精神的、内的ストレスから生じる皮膚障害の緩和や皮膚の老化防止などに必須な、細胞を接着させるメカニズムに大きな役割を演じているといいます。さらには、肝臓の再生や抗ガンのメカニズムにも画期的な役割を担っているという研究成果も発表されており、長寿から不死を目標としている今日の医学には大きく貢献しそうなたんぱく質です。実際、「ヒトゲノム計画」の全作業が平成十五年に終了し、人間の遺伝子情報がすべて解読できた今日、さまざまな発見や知識を応用し、実用化に向けた開発競争が活発化しているようです。

コロサイ人の手紙1:15-17で使徒パウロは、
「御子は、見えない神のかたちであり、造られたすべてのものより、先に生まれた方です。なぜなら、万物は御子にあって造られたからです。天にあるもの、地にあるもの、見えるもの、また見えないもの、王座も主権も支配も権威も、すべて御子によって造られたのです。御子は、万物よりも先に存在し、万物は御子にあって成り立っています」(下線付加)
と、ヨハネの福音書1:1-3に並び、「宇宙を保っているのはだれか」に答えています。物理的宇宙が存在する前にすでに存在しておられた方、
使徒ヨハネが
「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった」
と表現したイエス・キリストがその答えです。

十字架構造のたんぱく質

数ある興味深い研究成果の中から、コロサイ人の手紙の中の「万物は御子にあって成り立っています」という御言葉を思い起こさせる「ラミニン」というたんぱく質についてもう一度、振り返ってみることにしましょう。「薄い板、層」を意味するラテン語「ラミナ」から名づけられたこの繊維質のたんぱく質は、上皮組織の表皮と真皮の境界部に位置する表皮基底膜の主成分で、厚さ50nm(ナノメートル)のこの薄い膜が、表皮と真皮とを結びつける役割(強力な細胞接着活性)を果たしているといいます。「ラミニン」は生命体の組織構造を維持するだけでなく、個体発生や癌の湿潤、転移に関わる機能性たんぱく質でもあり、生命体にとって不可欠であることが明らかにされていますが、意義深くも「十字架構造」を持つことでも知られているのです。

いのちをもたらすキリストの十字架

キリストが十字架上で死んでくださったことにより、罪ある人間が永遠に生きることのできる道が開かれたことを信じる者にとって、生命体の組織構造を結合する重要な役割を担っているたんぱく質が十字架の形をしているということは、聖書の主張を裏づける新たな情報といえます。キリストの十字架は聖書の真髄、「いのち」に関わる最重要なテーマを外的に証しするものとして、世界中で語られてきましたが、組織を生かすために不可欠な接着剤の役割を担う十字架構造をしたこの「ラミニン」は、まさに「いのち」が十字架上でキリストの贖いの死によって達成されたことを内的に証ししているかのようです。

ミクロの世界の神のしるし

キリストの十字架は、生命を象徴する型です。驚くべき一貫性で天地の至るところに反映されている完璧で美しい神のデザインが、生命体をつなぎとめているたんぱく質にも反映されているという発見は、人が自然発生によって偶然に存在するようになったのではなく、創造者の御目的の下で生みだされたということを明確にしています。神を否定し進化論を唱え、今日に至るまで、神に敵対する人々に反逆の根拠を与えてしまったダーウインはよもや神が、外的だけでなく内的にも、巨視的だけでなく微視的にも、―被造物の細胞の中にさえ― ご自分の御手の跡を残されたとは、考えもしなかったことでしょう。

マクロの世界の神のしるし

次に、巨視的に神が置かれた驚くべきしるしに目を留めることにしましょう。私たちが住んでいる地球が属している太陽系は、太陽の周りを八個の惑星が公転していますが、そのうち五個の惑星がキリストの十字架を形づくる位置に見事に配列された日があった、天空にまさに十字架が描かれた日があった、という画期的な発見が、今年8月31日に報道されました。研究者ミゲル・アントニオ・フィオルは、惑星運行儀オーラリ―を用いて、そのような惑星配列が、33CE、4月3日に起こったことを発見、奇しくもイエス・キリストが十字架上で亡くなったとみなされている年月日であることから、さらに関心を寄せ、これは単なる偶然ではなく、間違いなく神の置かれたしるしであるとの確信に至った、付随する現象をも併せて発表したのでした。

惑星配列による天空の描画

この配列は、33CE の三月半ばから四月半ばにかけて起こり、その後は西暦0年から2000年の間に六回起こっただけで、すなわち、三百三十年ごとに一回の割で起こっただけでした。しかし、さらにさかのぼって、4BCEにも起こったと主張する研究者もいるようで、この頃キリストがベツレヘムでご降誕されたことを鑑みると、非常に興味深い発見といえます。実際には、33CEの後は六百年間も、同じ配列は起こらなかったようで、今後も、おそらく2900年頃までは起こらないと予測されており、この非常にまれな惑星配列による天空の描画は、キリストの初臨、来臨をこの世に告げ知らせるべく、神の特別なご介入によって起こされた奇蹟的な現象といえるかもしれません。

天空が証しする神の人類救済史

この十字架刑を形づくるのに関わった惑星は、キリストの頭部が土星で、土星の回りの輪、かさは、まさにキリストの顔の回りのいばらの冠、あるいは、光輪を象徴するかのようなのです。キリストの右手先には天王星、左手先には木星が位置し、興味深いことに伸ばした両手首を回転させるかのように、これら二個の惑星が対照的な位置で回転しているのです。同じように、右足先には地球、左足先には金星が位置し、両手、両足とも左右手首、足首を回転させるかのように、それぞれの惑星が対照的な位置で回転しています。また、木星と火星を結ぶ一直線上に、ちょうど正確にキリストの腰部が位置し、そこから両脚に別れて、地球、金星に至るのです。配置を一見しただけで、十字架と分かる形状が浮かび上がるのですが、このように詳細に至るまで、正確に描写されているとはただ驚きです。疑いなく、神が創造の初めに置かれたデザインで、天空という壮大なカンバスには、神の人類救済の出来事が人間史の日付入りで描写されているのです。

人間史と宇宙

実に神は、御子キリストをこの世に顕すため、さまざまな方法を取られたのでした。御言葉の宣教によって、数々の超自然的なわざ、奇蹟を通して、巨視的世界から微視的世界に至るあらゆるところに、キリストとその贖いのわざを象徴するしるしや形を顕されることによって、神はこの世に御旨を告げておられるのです。人間史と物理的宇宙とがこのように関連づけられているという発見は、この世の終わりには真理が明らかにされると主張する聖書に従えば、もう今がそのときであることを指し示しているかのようです。

主をほめたたえよ!

冒頭に挙げた詩篇148篇は、賛美は天で始まり、すべての賛美は創造者に帰されることを銘記させる「ハレルヤ、―主をほめたたえよ― の詩篇」です。天界の被造物、天体、全天の構成要素すべてが主をほめたたえる対象で、この詩篇には、全十四節中十三節で「主をほめたたえよ」が繰り返されています。それは主が天地宇宙の万物を造られ、維持され、支配しておられるからです。昨今、火星に水が存在していることが発見され、生物が生息している可能性に関心が向けられていますが、神は創造の初めに「大空の上の水」「大空の下の水」とを分けられたと『創世記』は明記していますから、地球外の天体に水が存在したとしてもおかしくないのです。ただ、神は、地球だけを人が生きるにふさわしい場所として特別な配慮と愛で定められたので、他の惑星に人と同じような生きものが生息すると類推することは聖書的ではなく、地球外からの被造物は御使いか、さもなければ、堕天使、悪霊以外に考えられないのです。

全天、全地、全被造物よ、主をほめたたえよ!

この詩篇の後半7-14節では、賛美は天界だけでなく、地上からも神の御許に上らなければならないことが記されています。人間界からだけではなく、地の深淵、海の中、地上に生きるすべての生きもの、大自然の力、草木から動物に至るまですべての物理的世界からの賛美が主に向けられなければならないのです。強調されているのは、天においても地においても真理は一つ、創造者なる神だけがほめたたえられるべきであることです。「火よ。雹よ。雪よ。煙よ。みことばを行うあらしよ」には、自然界の被造物は無言であるが、実際にはいかに創造者をほめたたえているか、神に栄光を帰しているか、神のご計画の役割を担っているかが表現されています。同様に、天界の被造物も、神に定められた場所で、割り当てられた機能を忠実に果たしているのです。その結果が、神のタイミングのときに天空に顕れる人類救済の壮大な絵巻、描画であり、ミクロの世界に埋め込まれたキリストの救いのわざを思い起こさせるデザインなのです。