TRANSLATE

AD | all

第318号  サムエル記第一14:4-23

諸々の民の境を決められたのは創造者なる神

人類史において、諸国民に領土を与え、国境を定められたのは、聖書にご自身を啓示された神であることを認識し、諸国民が神の秩序、掟に従って生きるとき、全地に平和が満ちることを神は約束されました。しかし、創造者なる神に逆らい…

ヨナタンがペリシテ人の先陣の側に越えて行こうとしていた山峡には、手前側にも、向こう側にも、切り立った岩があって、一方の側の名はボツェツ、もう一方の側の名はセンネといった。一方の岩は北川、ミクマスの側にあり、もう一方の岩は南側、ゲバの側にそそり立っていた。ヨナタンは道具持ちの若者に言った。「さあ、この無割礼の者どもの先陣のところへ渡っていこう。おそらく、主がわれわれに味方してくださるだろう。多くの人によっても、少しの人によっても、主がお救いになるのを妨げるものは何もない。」……もし彼らが『おれたちがおまえらのところに行くまで、じっとしていろ』と言ったら、その場に立ちとどまり、彼らのところに上って行かないでいよう。しかし、もし彼らが『おれたちのところに上って来い』と言ったら、上って行こう。主が彼らを、われわれの手に渡されたのだから。これが、われわれへのしるしだ。」

二人は、ペリシテ人の先陣に身を現した。するとペリシテ人が言った。「おい、へブル人が、隠れていた穴から出てくるぞ。」先陣の者たちは、ヨナタンと道具持ちに呼びかけて言った。「おれたちのところに上って来い。思い知らせてやる。」ヨナタンは道具持ちに言った。「私について上って来なさい。主がイスラエルの手に彼らを渡されたのだ。」ヨナタンは手足を使ってよじ登り、道具持ちも後に続いた。ペリシテ人はヨナタンの前に倒れ、道具持ちが後ろで彼らを打ち殺した。ヨナタンと道具持ちが最初に打ち取ったのは約二十人で、一ツェメドのおよそ半分の広さの場所で行われた。そして陣営にも野にも、すべての兵のうちに恐れが起こった。先陣の者、略奪隊さえ恐れおののいた。地は震え、非常な恐れとなった。

ベニヤミンのギブアでサウルのために見張りをしていた者たちが見ると、大軍は震えおののいて右往左往していた。 …サウルと彼とともにいた兵がみな集まって戦場に行くと、そこでは剣をもって同士討ちをしていて、非常に大きな混乱が起こっていた。それまでペリシテ人について、彼らと一緒に陣営に上って来ていたヘブル人も転じて、サウルとヨナタンとともにいるイスラエル人の側につくようになった。また、エフライムの山地に隠れていたすべてのイスラエル人も、ペリシテ人が逃げたと聞いて、戦いに加わって、ペリシテ人に追い迫った。その日、主はイスラエルを救われた。     サムエル記第一14:4-23

イスラエルではサウル王の時代、ペリシテ人との戦いが続いていました。ゲバをサウルとサウルの息子ヨナタンに奪われた後、ペリシテ人は奇襲部隊を三箇所に送り戦力を分散させ、ミクマスに自信過剰の中心部隊が留まり、再び、イスラエルに攻撃を仕掛けてきました。分遣された奇襲部隊の目的は地を略奪し、住民の士気をくじくことで、「略奪隊」と呼ばれていました。

当時、高度な治金術を習得していたペリシテ人は実質的に鉄、鉄製品を独占していたので、農耕技術、軍事用品、武器生産のどの面でもイスラエルは非常に不利な立場にあり、特に戦争中はペリシテからの鉄製武器、鉄製用具を入手できなかったため、サウルとヨナタンだけが剣と槍を所持し、イスラエル人は弓と矢と石投げで戦ったのでした。

ペリシテ人の先陣に谷をはさんで一番近くにいたヨナタンが、単独行動で敵陣に乗り込む行為へと駆り立てられたのは、神が契約の民イスラエルに与えられた地を、無割礼の異邦の民ペリシテ人が占領しているという違法行為に対する義なる怒り、敵への抗議行動でした。

本来イスラエルのものである地を取り戻すことは神ご自身が戦われる聖戦なので、

多くの人によっても、少しの人によっても、主がお救いになるのを妨げるものは何もない

との確信に満ちて、ヨナタンは道具持ちの若者と二人、南と北にそそり立つ二つの岩山を乗り越えて、ミクマスのペリシテ人の先陣に現れたのでした。事前に、そのまま前進して戦うべきか、後退すべきかのしるしを、ペリシテ人の反応を通して神が示してくださると確信していたので、ペリシテ人の応答、「おれたちのところに上って来い」は、ヨナタンにとって勝利の確証でした。

山峡の地の利で、ペリシテ人に全く気づかれずに手前の岩山を乗り超えて、突然二人が姿を現したので、おそらく、どこかの穴に隠れていたへブル人脱走者が出てきたくらいに甘く見たペリシテ人は、攻撃態勢を取っていませんでした。意表を突かれたペリシテ人はなすすべなく戦闘に巻き込まれたのです。

14節の後半部は原本に破損があるため、解釈が困難ですが、おそらく、小競り合いになったのはさほど広くない場所であったと、場所の描写が意図されたようです。山峡の渡しを守っていた前哨部隊の瞬く間の陥落は、ペリシテ人の全陣営、民全体に恐怖をもたらし、追い打ちをかけるように相次いだ地震はすべての兵士をその場に釘づけにしたのでした。ペリシテ人にパニックをもたらした地震は神がヨナタンの側におられることの確かなしるしでした。

サウル王は南のギブアに退却して初めは傍観していましたが、ヨナタンによる勝利を知った後、主戦力をペリシテ軍に向け、勝ち戦に加わりました。王の姿を見て、それまで山地に身を隠していたイスラエルの脱落者たちや難民たちが姿を現し、ペリシテ軍に立ち向かっただけでなく、ペリシテ側についていたイスラエルの離反者たち、逃亡者たちもサウル軍に戻ったのでした。全イスラエルが再び一つになって勝利を喜ぶことは神の御旨で、神は、御旨を知って行動したご自分に忠実なヨナタンを通して、ご自身が聖戦を戦われたのでした。

対照的に、主の祭司のエポデ、ウリム、トンミムを通して語られる神の言葉を待たず、自らの感情的決断によって行動を起こすのが常であったサウルは、この後、王としての資質に著しく欠ける出来事を引き起こすことになります。サウルは、ヨナタンやダビデなど献身的な神の人を側近に置きながら、「神に従うことはいけにえを献げるにまさる」との教訓をついに学ぶことのなかった王でした。


使徒パウロは偶像でいっぱいの都アテネを見、心に憤りを覚え、新奇なものに好奇心旺盛な民衆に「あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それを教えましょう」と前置きして、

神は、一人の人からあらゆる民を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、住まいの境をお定めになりました(使徒の働き17:23-26)

と語りました。

人類史において、諸国民に領土を与え、国境を定められたのは、聖書にご自身を啓示された神であることを認識し、諸国民が神の秩序、掟に従って生きるとき、全地に平和が満ちることを神は約束されました。しかし、創造者なる神に逆らい、神に代わる偶像や人の手に成る「もの」、すなわち、被造物に執着し神を捨てるとき、人はサタンに支配されるようになり、結果は、戦争、憎み合い、だまし合い、不和、殺人、病…です。

今日、この世はどこもかしこもまさにこの状態です。


冒頭に引用したくだりは神の測り知れないご計画の下で起こることが許された戦いに神がご介入されるとき、多くの死傷者が出る前に短期間、短時間で流血沙汰が終わらせられるという、聖書に記録されている数多くの例証の一つです。

全知全能の神は、人の罪を決して見逃されることなく、すべての人は必ず犯した罪の刈り取りをすることになります。この世に生きている間に自らの罪、―創造者なる神の存在、神の定められた秩序に対する否認と、意識的、無意識的に犯した数々の罪― に気づき、悔い改めて神の救いを受け入れないかぎり、すべての人は世の終わりに全員裁かれ、神から永久に断ち切られ、サタン、堕天使、悪霊の永遠の道連れになります。

しかし、憐みの神はこの究極的な裁きに至るまでに、何度も警告の懲らしめを経験させることを通して、人にご自分に立ち返ることを求めておられます。人類史上、今日に至るまで、神が天災、戦争、疫病、飢饉、困難、苦しみ、悲しみを許して来られたのは、個々人の罪を含め全人類の罪に対する神の怒り、懲らしめですが、同時に、この世に生きている間に警告、懲らしめを通して教訓を学び、ご自分に立ち返ることを願う愛の鞭のゆえです。

罪に生まれた人はみな、だれかに罪を負わせ、「贖罪の山羊」(主の例祭の「贖罪の日」に、すべての人の罪を負わせて死なせるため、荒野に放たれた山羊。旧約の掟の下では、毎年、一年分の罪を贖う儀式が繰り返された)にし、自分を正当化する性悪を潜ませています。きっかけをつかむや、そのような集中攻撃、非難の霊が世論を支配する現象が今日、ロシアのウクライナ侵攻に対して世界的に起こっているようです。

過去二年余に亘って世界の多くの国でワクチン接種、証明書提示が強制されたものでしたが、現在、世界中の主流メディア、企業メディアが語ってきたCOVID-19情報が正され、ワクチン接種後の有害事象、追加接種者の相次ぐ突然死が報道されるにつれ、当初からmRNAワクチンの危険を警告してきた独立メディアの正当性が立証されてきています。

しかし、未接種者を非難、威嚇し、医療、雇用、教育、福祉等々社会のあらゆる領域から閉め出してきた同じ蔑視が今、ロシアとベルラーシに向けられ、ロシアの民族、歴史抹消の動きが主流メディアを通して、正当化されています。特定の報道網からの情報、偏向報道に慣らされた大衆は、政府や大企業の援助に依存しない非営利独立メディアからの全く異なった情報を頭から否定し、真相を陰謀論と片づける嘘を信じる罠に陥っているのが現状です。

他方で、2022年になって、コロナウイルスなるものは一度も同定されていないばかりか、データの改ざんによる世界的大流行に始まって、強制的ワクチン接種に世界中が翻弄されたコロナ騒動の真相が、前言を翻した一部のメディア、報道関係者、内部告発の医科学者たちによって明らかにされてきています。

しかし、2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して以来、同じ虚偽が主流メディア、反ロシア国家によって報道され、世界中の世論を席巻しています。偏向報道のゆえに、何が真実なのか正しく伝えられていない今日の状態には、暗闇の政府の陰謀があることをマイク・アダムス氏は警告しています。

グローバリストは危機を作りあげて国民を検閲し、『生命を守り生きるため、政府の指示に従わなければならない、さもなければ生命を失う』と脅し支配する手口で二年間、コロナ威嚇で予備訓練し、今、戦争下の緊急事態を意図的に作り出し、ますます支配を強め、国民をだましている。天の介入がない限り、反人間グローバリストが紛争を第三次世界大戦にエスカレートさせ、地球上の人類文明の崩壊、人類の絶滅を民族浄化のために利用することは今や避けられない。彼らは世界人口を10億人に削減するため、ワクチンでの大量虐殺、核戦争、大量飢餓、生物圏の崩壊、5G兵器化、気象兵器、財政崩壊、サイバー攻撃、グローバリスト運営の企業メディアによる継続的な心理的トラウマの組み合わせで目標を達成するであろう。しかし、永久的な霊の死に直面するその瞬間に、すべての人は神か悪魔か、永久の生か死か、の選択に導かれるだろう(要約)

と。

起こるべきではなかった戦争が泥沼化してしまった今、神の奇蹟的ご介入による停戦を求める諸国民の祈り以外に、最悪を避ける手立てはないでしょう。

記事1記事2