貧困に悩むブルンジの未亡人、未婚の母を助けるプロジェクト
中部アフリカのブルンジで、さまざまな教派の牧者たちに「神の言葉」、聖書を解き明かすミニストリーに献身し、ブルンジ国内、タンザニア、ケニア、コンゴを巡回宣教している牧者フレデリックが新しく始めた企画、「貧困に悩むブルンジの未亡人、未婚の母を助けるプロジェクト」について、ご紹介します。
フルダミニストリーでは、フレデリックのプロジェクトに全面的に賛同し、六月に先行投資資金を送りました。まずは、百人の女性を対象に、十のグループに分け、以下の手紙に記されている過程を経て、最初のグループはすでに四月から借入金(十ヶ月返済)の最初の返済段階に至っており、現在、一つのグループが順調な成果を生み出している旨、報告を受けています。七月からは本格的に、この企画を進めていくことになります。
綿密なプランを立て、主の御旨を仰ぎ、祈って始める企画を主は祝してくださいます。
フレデリックにとって、祖国ブルンジを救うことは、主への全身全霊の献身の一環です。
フレデリックとチームを通して、主がご自身の御業をなしてくださいますようにお祈りください。
自分の十字架を負ってわたしについて来ない者は、わたしの弟子になることはできません。塔を築こうとするとき、まずすわって、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたのうちにひとりでもあるでしょうか。基礎を築いただけで完成できなかったら、見ていた人はみな彼をあざ笑って、「この人は、建て始めはしたものの、完成できなかった」と言うでしょう…そういうわけで、あなたがたはだれでも、自分の財産全部を捨てないでは、わたしの弟子になることはできません。ルカ14:27-33
フレデリックの手紙
2014年5月31日
敬愛するフルダミニストリーの皆さま
私たちの主である救い主、イエスキリストの聖名においてご挨拶をします。
涙でもってこのEメールを書いています。悪いことは重なるものです。
まだ記憶に残っているのではと思いますが、去年の1月28日、中央市場が悪い人々によって放火され、多くの人々が生計の糧を失いました。さらに追い打ちをかけるように、今年の1月29日、ブルンジの首都、ブジュンブラは豪雨に見舞われ、百三十五人の人々が亡くなり、千二百戸の家屋が破壊され一万二千人が家を失いました。それから一カ月もたたないうちに、私たちがかつて働いていたガツンバ(ブジュンブラ近郊の田舎)にも大雨が降り六百戸の家が倒壊しました。昨晩は人口が多い郡にあるもう一つの中央市場が焼けました。
火事の原因はまだ分かっていませんが、どんな理由にせよ、すでに貧困で苦しんでいる人々には追い打ちをかけるような大きな損失になりました。
さらに悪いことは、今年は大変な干ばつで全土にわたって前例を見ない飢饉が予想されています。北部に住んでいる人々の多くはすでに移動を始め、緑の牧草を求めて、他の地域に移住を始めています。
ご存じのようにブルンジは世界中で最貧国に数えられ、人口の70%が貧困線より下のレベルの生活をしています。これは主に、汚職の蔓延、悪政、指導者の未来を見通すビジョンの欠如などによるものです。
先日のEメールで、あなたは、私たちのプロジェクト、すなわち、「貧困に悩むブルンジの未亡人、未婚の母を助けるプロジェクト」について、より詳しい説明が欲しいと言われました。以下、それについて、もう少し具体的にご説明します。
ブルンジは過去、繰り返される内戦で、多くの人々が主にタンザニアに難民として避難していました。しかし現在は、比較的平穏が取り戻され、それら難民がブルンジに帰りはじめました。そこで問題が出てきたのです。彼らがかつて所有していた土地、資産が人手に渡っており、それらを取り戻す際の延々と続くトラブルです。
プロジェクトの草案
私たちは大きく三つの計画をかかげています。
1.
人々の能力を高め育成すること
①
指導者の訓練をする
②
実際に生産をする
③
その過程をチェック、フォローする
2.
人々を擁護、鼓舞すること
①
政策、方針を人々に理解させ、その推進をしていく
②
政治家への働きかけ、運動をする
③
人々の訓練
④
その過程をチェック、フォローする
3.
持続、維持できる生計を推進していく
①
所得を生み出す活動を行う
②
その過程のチェック、フォロー、そして評価、指導を行う
③
経済力の増進
④
人々の訓練
この企画に際して示された聖句:
わたしの上に主の御霊(みたま)がおられる。主が貧しい人々に福音を伝えるようにと、わたしに油をそそがれたのだから。主はわたしを遣わされた。捕らわれ人には赦免を、盲人には目の開かれることを告げるために。しいたげられている人々を自由にし、主の恵みの年を知らせるためにルカ4:18-19
だれが、そして、だれのためにこの計画を実行するのか?
☆その土地の人々が自分たちのために行う
☆私たちが、彼ら自身でできるように彼らを助け、力をつける
☆私たちが、その土地の人々と彼らを支援する人々との間にパートナーシップを築く
☆経済的に脆弱な個人とそのグループがビジネスを行う
何を行うのか?
☆持続的な生計の樹立
☆経済力の増強
☆所得を生み出す活動
☆基本的な介入の必要性
☆物質/経済手段の生産
☆環境管理
☆生計を維持していくための新婦人連合組織のたち上げ(特に母子家庭)
ほか
なぜ、実行するのか?
☆対立、争いが生み出す貧困を防ぎ、あるいは、減少させるため
☆貧困が生み出す対立、争いを防ぎ、あるいは、減少させるため
☆難民を生みださない、あるいは、その数を減少させるため
どのようにして実行するのか?
☆連合組織、あるいは、教会との協働
☆訓練、指導を実施
☆土地の人々が、所得を生み出す活動をするための支援
私たちのビジョン
持続する生計維持の可能性を持つ統合的、ダイナミックな共同社会の構築
私たちの核となる価値基準
☆共同体志向
☆人権尊重
☆人間関係の尊重
☆誠実、清廉
私たちの基本的な考え方
最低限の生活をしている人々、特に女性たちは脆弱な環境に直面しています。しかし極貧の中にあっても、貧しい人たちも限界はあるものの、技術、能力、資産を持っています。
このような観点から、私たち、「キリストの教会」はそのような人々が持っている能力を見出だすための調査を行い、彼らの暮らしを少しでも良くするために、諸々の手段を使って、地域社会と一体になって歩んでいます。
パウロ・フレーレは言いました。「人々は彼らの住んでいる地域社会がかかえている諸問題に真正面から取り組むことによって、彼らの未来を発展させ、決定していくのである。このような地域社会構築の原則に則れば、その過程、結果(生産)は持続性を持ち、そして彼らが実際に享受できるものとなるであろう。それは仕事と創造、究極的には創造者なる神との関係、および、個人的な関係において平安を築くことから始まるのである」と。
上記に関していえば、私たちは行動を通してキリストの愛を示したいと思っています。
私たちは、まず最初に十人の婦人たち(彼女たちは大半が貧しく、脆弱で、未亡人あるいはシングルマザー(未婚の母)です。なかにはエイズにかかっている人もいます)のグループを考えました。
彼女たちにそれぞれ、一定額の資金(ブルンジで、約三ヶ月分の賃金相当)を無利息で貸しつけます。十ヶ月のうちに全額返済の条件です。返済された資金は順番待ちリストに載っている人々に順次、ローンされます。
私たちはすでに、私たちの訓練、および、指導を受けた一グループ(10人)の女性たちに以上のことを実施しています。現在のところローンを受けた彼女たちは子どもの学校関連費用の支払いができるようになり、衣服を買ったり、小区画の土地を購入して牛やヤギを飼って、自給自足の生活を始めています。彼女たちは、自分たちがそれぞれ属している教会への献金額を増やしています。
このように、この企画(プロジェクト)が機能していることを、私たちは現在、体験していますが、そのためには、彼女たちを教育、訓練、指導、自活させ、彼女たちのフォローアップ、そして、成果の評価をするための人件費が必要です。
また、彼女たちは文字を読めない人々ですから、私たちがいかに計画的にお金を貯めるか、健康管理、時間管理、家事管理をするかなどを、教えなければなりません。
この計画を今後続けていくには、かなりの資金が必要です。
上記の企画についてどうかお祈り下さい。
私たちは他にもやらなければならない事柄がたくさんあります。
しかし、残念なことに資金、資源不足により、本格的に取りかかれないのが現実です。
キリストに在って、
フレデリック
あとがき
主はフレデリックにいろいろな思い、事業の構想を与えてくださり、彼は綿密な計画を立て、祈り、それを着々と実行しています。
フレデリックのダンプトラックを用いての事業は、主の大いなる祝福のうちにあります。
トラック入手直後にふさわしい働き手が与えられ、ブルンジ国の復興事業に貢献できるだけでなく、フレデリックの牧会をも潤しています。
憐れみを示してくださった主に、ひとえに感謝!