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第293号  申命記28:58-63

新型コロナウイルス COVID-19、―神の警告―

聖書の預言者たち、「出エジプトの十の災い」の世界的再現を世の終わりのメシア来臨の予兆として預言…

もしあなたが、この書物に記されている、このおしえのすべてのことばを守り行わず、この栄光に満ちた恐るべき御名、あなたの神、主を恐れないなら、主はあなたへの災害、あなたの子孫への災害を驚くべき仕方で下される。大きな長く続く災害、長く続く悪性の病気である。主は、あなたが怖がっていたエジプトのあらゆる悪疫を、再びあなたにもたらされる。それがあなたにまといつく。主は、このみおしえの書に記されていない、あらゆる病気、あらゆる災害までもあなたの上に臨ませ、ついにあなたは根絶やしにされる。あなたがたは空の星のように多かったが、少人数しか残されない。あなたの神、主の御声に聞き従わなかったからである。かつて、主があなたがたを幸せにし、あなたがたを増やすことを喜ばれたように、主は、あなたがたを滅ぼし、あなたがたを根絶やしにすることを喜ばれる。あなたがたは、あなたがたが入って行って所有しようとしている地から引き抜かれる。 申命記28:58-63

中国、湖北省武漢の大学病院で新型コロナウイルスによる肺炎が中国政府によって報告されたのは、2019年12月31日。その十一日後から死者が相次ぎ報告され、感染者数は増大の一途で、さらに十日後にはアジア諸国にも感染者が現れ、その一日後に米国でも報告されました。最初の感染例が報告されてから一箇月後に、世界保健機構(WHO)は、世界的な健康非常事態と旅行規制を宣言しました。
発祥地、感染地の隔離をはじめ世界中で諸々の手段が講じられ、感染食い止めの努力がなされていますが、新型肺炎COVID-19は歯止めが利かない勢いで脅威的に世界中に広がっています。

冒頭に挙げた『申命記』のくだりは、神がご自分の契約の民イスラエルにモーセを通して語られた警告で、「エジプトのあらゆる悪疫」やそれ以上の恐ろしい病や災害から守られるには神を畏れ、神の御旨を行うようにとのご命令でした。
ユダヤ教のラビたちは、預言者ミカの終末預言
『あなたがエジプトの地から出た日のように、わたしは奇しいわざを彼らに見せる。』諸国の民は見て、自分たちのすべての力を恥じ…私たちの神、主のみもとで、おじ惑い、あなたを恐れます。(ミカ書7:15-17)
を、メシア到来直前に全地にエジプトの疫病が再来し、神に敵対する者を滅ぼし、神に服従する者は救われると解釈しています。

終末末期、神に反逆する人たちへの究極的な災いが預言されている『黙示録』にも、神が古代エジプトで隷属下に置かれていたイスラエルの民を救い出すために用いられた「出エジプトの災い」の再現が記されていますから、聖書を信じるキリスト者も、キリストの預言
民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、大きな地震があり、方々にききんや疫病が起こり、恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます。(ルカ21:10-11、下線付加)
に従って、それらの災いが世界中で同時多発的に起こることは主の再臨の近づきのしるしであると信じることができます。

「出エジプトの十の災い」を科学者たちは、疫学、細菌学、昆虫学、毒物学の観点から、以下のように考証しました(『一人で学べる出エジプト記』(文芸社、2010)p.87-89 から以下の1.~10.を引用)。

1.最初の災い、「血に変わったナイルの水」は、ある種の藻類の繁殖による赤潮の発生で起こりうる。この藻は酸素を吸収し、魚を殺す毒素を放出、温暖な静水に突然発生するが短命で二、三日で消失する
2.一匹が何十万個の卵を産む繁殖力旺盛な「かえる」は、ナイルの水が腐敗し、食べるものがなくなったため、えさとなる虫を求めて明るく暖かいところに集まる習性の「ひきがえる」であった
3.第一、第二の災いで自然界のバランスが崩れたことにより増殖し、人間と動物を襲ったのは吸血虫の蚊「ゆすりか、ぬかか」の類とみなされる。
今日の昆虫の分類は聖書の記述より千年以上後にアリストテレスによって初めて着手されたことなので、聖書では「しらみ」あるいは「ぶよ」(新改訳)と表記された
4.ナイル川の魚と両生類の死により汚染した水が引くと、昆虫によって第三の災いとこの災いが引き起こされる。群生する「あぶ」はおそらく「家畜ばえ」で、家畜に噛み付き、二次感染を引き起こす
5.「家畜を襲う疫病」はおそらく、「カタル熱」で、ひづめのある哺乳動物だけが侵される
6.「うみの出る腫物」はリンパ組織を侵すリンパ腺のできもの「シュードモナス感染症」で、中東、アフリカで今日も発生、第四の災いの家畜ばえの媒介による二次感染が原因で起こったと考えられる
7.「雹」は暑い地域でも生じる自然現象で、サイズは12、13mmから13cm大にも至り、危害は大きい
8.「いなご」の群生は今日でも結構起こっており、北アフリカ、中東からインドのパンジャブ地帯にかけてよく発生する。地にある穀物、青菜、果物から樹皮まで完全に食い尽くしてしまう
9.「さわれる闇」は「さわれる」と明記されているように、サハラ砂漠からの熱い南風によってもたらされる「砂嵐」と考えられる。3~5月にかけて発生すると二、三日は続き、太陽は遮断され暗闇に覆われる。
古代エジプトの墓やスフィンクス、碑文などはこの砂嵐に見舞われ、砂の下に保存された
10.最後のエジプト中の「初子の死」に関して画期的な解明が提示された。突然死の原因はかびの胞子によって引き起こされる中毒。生み出された猛毒が肺から血液に入り、体内出血を起こし死に至らしめるもので、猛毒「マイコトキシン」が湿った倉庫に蓄えられた穀物に繁殖したと考えられる。雹、いなごの害でほとんどの穀物が失われたエジプトで、初物の穀物を十分乾燥させる間もなく大あわてで暗くて湿度の高い倉庫に取り込んだため、かびが繁殖したのであった。
世継ぎとなる長子優先の社会にあって、希少の穀物からの食事に最初にありつけたのは長子で、皮肉にも悲劇はまず長子に起こった

これらの災いは数年前から世界中の至るところで起こり始め、どれも頻度と強度が増しています。

1.の藻類の繁殖によって川が一日で変色する現象は頻繁に起こっており、トルコでは2020年2月9日、M6.8の大地震直後に裂けた地から血色の水が噴出、川が変色する現象が起こりました。2月26日には南極基地周辺でラズベリー色の雪解け水が氷上に描画する現象が起こりました。藻類は氷や氷河の融解に有害な影響を与えるとのことです。

2.から4. の特定の生き物の異常繁殖で自然界のバランスが崩され、蚊やノミの媒介によって連鎖的に第二次、第三次感染、疫病を引き起こすことはよく知られています。
昨今、5.の家畜の疫病や陸海空の生き物の大量の突然死が年を追うごとに増えています。中国は世界の豚肉消費量の半分以上を占める最大の豚肉消費国ですが、「豚エボラ」と呼ばれるアフリカ豚熱の流行2019年に中国の豚の三分の一以上が処分され、フィリピンルーマニアインドネシアでも数万頭の豚が処分されました。

6.の疫病は、1347年から1351年にかけて全ヨーロッパで大流行し、人口の三分の一が失われた黒死病(推定、腺ペスト)の可能性が2010年の研究結果、―三千年前のナイルのドブネズミとノミの残骸から腺ペストの由来をエジプトに発見― から明らかになったようです。膿が出て黒い潰瘍を形成する腺ペストは過去二十年間に五万人近くの感染症例があり、現在WHOは再興疾患に分類しているそうですが、中国は腺ペストが定期的に流行し、脅かされている数少ない国の一つとのことです。
預言者ゼカリヤは「主がエルサレムを攻めるどの民にも加えられる疫病」
彼らの肉は、まだ足で立っているうちに腐る。彼らの目はまぶたの中で腐り、彼らの舌は口の中で腐る(ゼカリヤ書14:12)
と表現し、主イエスの再臨直前に神と神の民に逆らう者たちに下る神の裁きの疫病として預言していますが、この肉が腐る病は腺ペストとみなされています。
悪しき者たちに生物兵器として用いられ、腺ペストが再燃する可能性は十分考えられますが、天災、人災を許されるのは神で、個々人の生命は神の御手の中にあることを覚えることは大切です。

7.と9.は2019年から今年にかけて延焼を続け、国土の森林の五分の一と十億以上の動物を失った豪州の森林火災のただ中で目撃されました。
聖書には、火と雹のように自然界の法則に反する組み合わせが神のご介入で起こったこと、また、終末末期に再現することを至る所で証ししていますが、豪州火災の場合、南東部で燃え続ける一方で、首都キャンベラ、メルボルン、その他の地域ではゴルフボール大の雹が降り、猛威をふるう山火事の上空に舞い上がった大規模な砂嵐は一週間近くも昼を夜に変えたのでした。

8.は現在、東アフリカに七十年に一度の大危機をもたらし、数十億の砂漠のいなごがすでに飢餓に襲われているアフリカの農作物を完全に食い尽くしています。
パキスタン、アラビアで発生したいなごが恐ろしい勢いでアフリカ大陸に移り、繁殖を続けながら、ケニア、南スーダンに及んでいますが三月から六月までに群れが五百倍に成長の見通しで、東方のインド、中国に移動する可能性もあるそうですが、中国政府は冬季であることを理由にその可能性を否定し、むしろ国境の地にアヒルや鶏を飼い、群れの襲来を抑制させるようにとの指示に余念がないようです。また民間では、大量のいなごのフライ料理をレストランのメニューに加えられるとの楽観論もあり、現時点では、中国政府にいなごの災いに対する危機感はないようです。

最後の10.の災いでは、ナイル三角州、ゴシェンの地に住んでいたイスラエルの民がエジプトに下った疫病から完全に守られたように、救いのしるしがつけられた者は災いの渦中にあっても守られることが聖書の至るところに書かれていますから、また、生死を司る方は神だけですから、特定の人たちだけを死に至らしめることは神にとっては難しいことではないのです。突然死に至らせる手段は、科学者たちの解明のように猛毒のカビによるもの、あるいは、致死率の高い何らかの疫病が考えられます。

目下、世界中を震撼させている新型肺炎の疫病、―「このみおしえの書に記されていない、あらゆる病気、あらゆる災害」― を含め、世界中至るところで起こっているエジプトの十の災い、戦争のうわさ、戦争、異常気象、大地震、火山噴火、洪水、干ばつのかつてない強度、頻度に脅かされている今日は、人の罪が築き上げた頽廃の時代、神の定められた秩序から遠く離れた背信の現代文明の姿です。

聖書に照らすなら、今起こっていることは忍耐の神の警告です。今は救いの最後のチャンス、全人類が聖書に明確に証しされている唯一真の神の存在を認め、神への反逆を悔い改め、神の定められた秩序に立ち返るときです。