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第285号  列王記第二21:1-15

パルミラのローマの凱旋門の歴史

3D印刷技術で複製された「新世界秩序、偶像崇拝、量子物理学を組み合わせたパルミラの凱旋門」に意図された真相とは?

マナセは十二歳で王となり、エルサレムで五十五年間、王であった… 彼は父ヒゼキヤが打ち壊した高き所を築き直し、イスラエルの王アハブがしたように、バアルのためにいくつもの祭壇を築き、アシェラ像を造り、天の万象を拝んでこれに仕えた… また、自分の子どもに火の中を通らせ、卜占をし、まじないをし、霊媒や口寄せをし、主の目に悪であることを行って、いつも主の怒りを引き起こしていた。彼はまた、自分が造ったアシェラの偶像を宮に安置した…
主は、そのしもべである預言者たちによって、次のように告げられた。「ユダの王マナセは、これらの忌み嫌うべきことを行い、実に彼以前にいたアモリ人が行ったすべてのことよりもさらに悪いことを行い、その偶像でユダにまで罪を犯させた。それゆえ、イスラエルの神、主はこう言われる。見よ、わたしはエルサレムとユダにわざわいをもたらす。だれでもそれを聞く者は、両耳が鳴る …わたしはエルサレムをぬぐい去る。わたしは、わたしのゆずりの民の残りの者を捨て去り、彼らを敵の手に渡す。彼らはそのすべての敵の餌食となって奪い取られる。それは、彼らの先祖たちがエジプトを出た日から今日まで、わたしの目に悪であることを行って、わたしの怒りを引き起こしたからである。」     列王記第二21:1-15(新改訳2017)

南ユダ王国の王マナセは、モーセの掟に記されている支配者、王に対する神のご命令に一切従わず、国内にありとあらゆる偶像崇拝を持ち込んだ最たる王でした。神の忍耐のゆえに、マナセの後もユダ王国は六十年ほど続き、その間、ダビデに並ぶ善王と評されたヨシヤのような神を畏れる王が登場し、偶像や高き所の祭壇を片っ端から取り除く宗教改革も行われたのでしたが、マナセの大きな背信の罪の結末を免れることはできず、北イスラエル王国の消滅に続き、ユダ王国もついに滅びたのです。神の預言の成就でした。

バアルの配偶者でアッシリヤの女神アシェラの像は、北イスラエル王国の王アハブが造って以降、首都サマリヤに満ち、バアルに並び背信国を象徴する偶像でしたが、マナセはそれも導入したのでした。さらに、天体崇拝をも導入し、アモン人の主神モレクにもヒノムの谷で幼児犠牲をささげたのです。
ユダ王国に滅びをもたらしたこの王の神冒瀆罪は計り知れないものでしたが、しかし、『歴代誌』33:11-20はマナセが即座に下った痛い裁きを通して悔い改めたことを記しています。神は裁きを執行する器としてアッシリヤ軍にユダ王国を攻撃させ、敗北したマナセは鼻に鈎針をつけられ、青銅の足かせにはめられて、当時まだアッシリヤの属州であったバビロンに捕らわれていったのでした。

マナセの晩年の生き様には、神の憐みによる劇的な回心とユダの王位に戻された奇蹟的なご介入によって、最も邪悪な者ですら、主の御前に悔い改めるなら赦しを受けることができることが示されています。また、マナセが心底から悔い改めたことは、蒔いた諸悪を取り除く清算に努めたことと、イスラエルの神、主に対する正しい礼拝を復興させたことから窺うことができます。
しかし、罪の恐ろしさは、一旦蒔かれてしまうと、周りの人々に対する邪悪な影響力をもはや撤回することができないことにあるのです。

国連は新世界秩序、偶像崇拝、量子物理学を組み合わせたパルミラの凱旋門を展示との興味深い記事が6月23日に報道されました。スイスで公開されたパルミラ・アーチの最近の展示は、新世界秩序、偶像崇拝、量子物理学の実験の要素を一同に集めた、と評した記事は、邦訳すれば次のような内容でした。

十日前、パルミラのローマの凱旋門(勝利のアーチ)の六メートルの複製が、スイスの国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の七十周年を記念して展示され、スイスのベルンで十二日間公開された。6月21日という日付は無作為のように見えるが、この日は夏至で、太陽崇拝に焦点を当てた偶像崇拝形態のカレンダー上では重要な日である。
このアーチが現在、ベルンで公開されている場所は、世界最大の素粒子物理学研究所を運営する頭字語CERNで知られる欧州原子力研究機構から160km以内のところである。

2009年に、CERNの「研究と科学的計算装置」の指導者、セルジオ・ベルトルッチは、AWAKEと名がつけられた幾つかの実験の含蓄的な意味合いについて報道記者に、最先端を行く実験が「未知」への入り口を開く可能性があることを、「このドアから何かが出てくるかもしれないし、あるいは、我々がここから何かを送るかもしれない」というように説明した。また、ブラックホールが突然未知の結果で出現する可能性についても語った。

ところが、科学研究という特定の目的のための研究所であるにもかかわらず、CERNへの訪問者が門で出迎えられるのは、インドの女神シヴァの大きな彫像である。
研究所の記述には、「インド政府の贈り物であるこの像は、ナタラジの宇宙舞踊と亜原子粒子の『宇宙舞踊』の現代の研究とを比較した隠喩である」とあるが、しかし、この公式の説明には、シヴァがインドのパンテオンでは破壊者として知られていることには言及されていない。

シリアのパルミラが二千年の間、最初のアーチの本拠地であったことと、モレクとしても知られた偶像、すなわち、バアル崇拝の主要な中心地であったことを忘れてはならない。聖書はバアルに九十回以上言及しており、特に預言者エリヤが動物犠牲を焼くための火を天から下すコンテストで、バアルの祭司たちや偽預言者たちを打ち負かしたとき、バアルは偶像崇拝の原型になったのであった。
バアルの信者は男女の乱交パーティ―に従事し、人間の幼児を生きたまま焼き、いけにえにした。人類学者は、幼児犠牲は無茶苦茶な性行為が招く避けられない結末後の人口淘汰、―選別による殺害― であった、と推測している。

パルミラは、32CEにベル神崇拝に奉献された。パルミラの神殿跡の地面の下部は、3000年BCEにさかのぼる人の居住を示している 。神殿はビザンチン時代にキリスト教の教会に改造され、1132年に、構造の一部がイスラム教徒によってモスクに改造されて以降、1920年代までモスクとして使用された。
パルミラは、偶像崇拝に根ざしていることに加え、今日、再現されているパルミラ・アーチは世界政府のためのシンボルとして、世界政府サミットを主催する幾つかの会場にその都度、登場していることは一考に値する。

パルミラ・アーチは、2017年2月にドバイで開催された世界政府サミットを発足するために建てられ、このイベントには、世界中のビジネス、科学技術、政治の指導者が集結した。その後は2017年5月に、イタリアで開催されたG7サミットで建てられ、そこでは、世界の純資産の64%以上を占める世界の七大経済大国の首脳会議が開催された。

ここで、偶像崇拝を拒絶することは普遍的な関心事であるべきことを明記したい。ユダヤ教は非ユダヤ人がユダヤ教に改宗することを望んでいないが、『タルムード』によれば、洪水後の全人類の父祖ノアに与えられた契約、七つの戒めの一つは偶像崇拝に対する禁止であった。それゆえ、神は全人類に対して偶像崇拝を禁じられたのである。

近年、2015年10月にイスラム国(ISIS)によって破壊された後、パルミラ・アーチが最初にお目見えしたのは2016年、ロンドンのトラファルガー広場で、ユネスコの世界遺産の週間イベントが開かれたときであった。シリアでの破壊の一年後に、デジタル考古学研究所(IDA)が3D印刷技術を用いて六メートルの実物大の複製を再現したのである。
この公開は、ちょうどオカルトで「獣への血の犠牲」として知られる十三日間の期間の始まりに一致して行われたが、この期間はバアル神を崇拝する人たちにとっては最も重要な祝日で、古来、幼児犠牲と男女の乱交パーティーで祝われたものであった。

アーチが公開されたのは4月19日で、それは、バアル信者の祝祭の十三日間の集大成であるベルタンの祝日であった。いわゆる「 メーデー(五月祭)」としても知られているベルタンは、「バアル」神への英語風の言及である。毎年恒例のベルタン火祭りは、古代ゲール文化の一環として、英国のエジンバラや世界中の他の諸地域で開催されている。祭りのルーツに関する無知がゆえ、この祭りは多くの場合、家族のイベントとして、子どもたちには特別割引が与えられるとして宣伝されているが、はなはだ残念なことである。

デジタル考古学研究所(IDA)とユネスコは、偶像崇拝のシンボルを提示する他の企画でもペアを組んだ。2017年11月に、異教の女神アテナの像がIDAによって再建され、ニューヨーク市の国連本部で開催された展示会「石の中の霊」で紹介された。
【以上、2019年6月23日付記事の邦訳】


パルミラの凱旋門の再現については、2017年の6月にも幾つかの記事で取り上げられ、新世界秩序の「闇の神殿」、マタイ24章15節でキリストが言及された、エルサレムに建てられ、反キリストによって汚されることになる「聖なる所」、その神殿への第一歩ではないかとの疑惑が投げかけられました。
当時、3D印刷技術で複製された大理石のアーチを見るために、何百万人もの観光客がイタリアのアロナに詰めかけたそうですが、ラビたちは「このアーチは、人々を異端信仰に目覚めさせ、究極的に世界的指導者たちの周りに人々を集める過程の第一歩になる」、「闇の支配者たちの究極的なゴールは、光を崇拝するためではなく、闇を崇拝するためにエルサレムに第三神殿を建てることである」と危惧しています。
また、「科学と工学を崇拝する新世界秩序が、第三神殿創設に三次元印刷工学を用いることは合点がいく」と、ラビたちは、新世界秩序、偶像崇拝、量子物理学を関連づけているのです。

昨今のイスラエルと神殿の丘との歴史的関連を断ち切ろうとする動向は、ラビによれば「何もないところから対立を引き起こし、中東和平を求めているアラブ人とユダヤ人とを戦略的に対立させ、互いを相殺へと導き、無政府状態、破壊を企てている」国連の試みということですが、その背後に新世界秩序をもたらそうとしている暗闇の力が働いているのです。
聖書では、人生において、唯一真の神に取って代わって信仰、依存の対象になっているものがあれば、偶像、お金、不動産、所有物など、すべての物質から、科学、工学、学問、宗教に至るまですべてが偶像崇拝とみなされます。
神ご自身がもたらされる平和を求める人たちは、間違っても暗闇の力の罠に陥らないよう、真の神の守りと霊的見分けを祈っていく必要があるのです。