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第218号 ヨエル書2:28ー3:17 :

天からのしるしを通してご自分の御旨を顕される神  ー終末の末期、主イエス・キリストの再臨の直前、神が顕される「しるし」とは2014年、2015年に起こる皆既食のことだろうかー

 
その後、わたしは、わたしの霊をすべての人に注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、年寄りは夢を見、若い男は幻を見る。その日、わたしは、しもべにも、はしためにも、わたしの霊を注ぐ。
  わたしは天と地に、不思議なしるしを現す。血と火と煙の柱である。主の大いなる恐るべき日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。しかし、主の名を呼ぶ者はみな救われる。主が仰せられたように、シオンの山、エルサレムに、のがれる者があるからだ。その生き残った者のうちに、主が呼ばれる者がいる……
  かまを入れよ。刈り入れの時は熟した。来て、踏め。酒ぶねは満ち、石がめはあふれている。彼らの悪がひどいからだ。さばきの谷には、群衆また群衆。主の日がさばきの谷に近づくからだ。太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。
主はシオンから叫び、エルサレムから声を出される。天も地も震える。だが、主は、その民の避け所、イスラエルの子らのとりでである。あなたがたは、わたしがあなたがたの神、主であり、わたしの聖なる山、シオンに住むことを知ろう。エルサレムは聖地となり、他国人はもう、そこを通らない。
ヨエル書2:28-3:17
 
例年、年の瀬が近づくと、一年の回顧と同時に、新年に向けての希望、予測に目が向けられますが、今年も終わりに近づくにつれ、天文学的に来年、再来年に起こることが予測されている、聖書の預言を思い起こさせる皆既食のことに、聖書の預言を信じる人たちの間で関心が高まっています。皆既月食は通常、皆既日食と違い、月は真っ暗にはならず血で染まったかのように赤黒く見えます。これは、太陽光が地球の大気によってわずかに屈折して地球の本影の中に入り、波長の長い赤系の光が月に届くためという物理学的根拠があるのですが、昔は辺りが次第に暗くなり、月が血に染まったようになる皆既月食は人々にとって非常に恐ろしいことだったに違いありません。自然の脅威にただ恐れをなし、多くの人たちが日頃の悪行を悔い、知らない神に助けを祈願したであろうと、天体現象の及ぼした多大な影響力を推し量ることができます。
 
キリストはご自分の再臨直前にこの世の人々を襲う不安と恐怖の状態を「日と月と星には、前兆が現れ、地上では、諸国の民が、海と波が荒れどよめくために不安に陥って悩み、人々はそのすべての所を襲おうとしていることを予想して、恐ろしさのあまり気を失います。天の万象が揺り動かされるからです……人の子が力と輝かしい栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。これらのことが起こり始めたなら、からだをまっすぐにし、頭を上に上げなさい。贖いが近づいたのです」(ルカ21:25-28)と預言されましたが、旧約時代のイスラエルの預言者ヨエルは、冒頭に引用したように「主の日」、すなわち、キリストの再臨によってもたらされる裁きの日到来の前兆を「太陽はやみとなり、月は血に変わる」と表現しました。ヨエルは主の日到来のしるしとして、明らかに皆既日食と皆既月食に言及しているようです。2014年、2015年に予測されている皆既食がこれらのしるしではないかと非常に注目されているのは、来る二年間に六回に亘って起こる皆既食のすべてがイスラエルの「主の例祭」の日に一致し、しかも、三大例祭のうちの重要な祭り「過越」と「仮庵」の日に連続で四回皆既月食が起こることになるからなのです。このように、めったに起こらない天体現象が立て続けに、イスラエルの主の例祭に一致して起こることは、神のなせるわざ以外に考えられないことです。皆既食に関する過去の諸例から明らかにいえることは、天地万物を司っておられる神の人類救済のご計画の一環として、これらの現象が特別に定められた時期に起こるように神ご自身が計らっておられるということです(詳細はフルダレターNo.207)。
これらの天のしるしは、キリストを救い主として受け入れず、無視、あるいは、反逆することによって滅びの道を自ら選んでいる多くの人たちにとっては警告ですが、キリストの再臨を待ちわびている者には大きな解放、勝利の告知です。
 
ノアの時代、神はご自分の掟を忠実に守っていたノアと家族、八人に、罪悪に満ちた全地を滅ぼすので箱舟を造るようにと命じられ、ノアの箱舟造りは当時の人たちには神からのしるしとなりました。また、実際に洪水が起こるまでに百二十年というときも定められ、さらに、当時最長寿者であった、ノアの祖父メトシェラ(「死ぬとき、それは来る」の意)の名に洪水到来の時期を告げる預言を託すことによって、神は人々にご自分の御旨を知らせ、警告されたのでした。メトシェラは、自分の死とともに到来する神の裁きが避けられないことを人々に告げる生き証人となったのです。しかし、神の憐れみによってそのように長いときが与えられ、明確なしるしを通して御旨が顕されたにもかかわらず、人々は悔い改めず、神の警告をも無視し、全員滅ぼされたのでした。聖書には、裁きの前には必ず神のしるしが与えられ、人々を悔い改めに導くことが主の御旨であることが至る所に記されています。滅びは無慈悲な神の懲罰ではなく、憐れみと愛の神への反逆ゆえの自分自身の選択なのです。二千年前、使徒ペテロは、キリストが十字架刑で亡くなられた直後のペンテコステの祭りのとき、各地からエルサレムに上ってきていた多くのユダヤ人に、このヨエル書の預言を引用して、悔い改めて主に立ち返るようにと、説きました。ペテロの力強いメッセージと神の言葉「主の大いなる輝かしい日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。しかし、主の名を呼ぶ者は、みな救われる」(強調付加)は、人々の心を打ち、三千人がその場で主をユダヤ人のメシヤとして受け入れ、バプテスマを受けたのでした。そのとき神が顕されたしるしは、だれの目にも明らかな聖霊降臨で、まさに冒頭に引用したヨエル書の預言の成就でした(使徒の働き2章)。
 
旧約の時代、神はご自分の霊を特別に聖別した人たちだけに与え、神の民に要求されたのは、自分のために特別な導きを仰ぐことではなく、これら神の霊に満たされた指導者たちを通して示された神の御旨に従うことでした。まさに、キリスト信徒が師キリストの声を神の御旨、声として受け入れたと同じでした。しかし、キリスト昇天後の聖霊降臨の出来事以降、キリスト信徒への聖霊の内住は、聖霊の外的な表れとは関係なく、信じる者にとっての普遍的なしるしとなったのです。キリストの霊となった神の霊が、主による満たしに飢え渇くすべての信徒に注がれるようになったということは、新約の大きな恵みで、ひとえにキリストの十字架上での贖いによって達成されたことでした。興味深いことに、モーセはすでにこの日の到来を予感したかのように個々人への聖霊の注ぎを願ったのでした(民数記11:29)。旧約の時代、夢でしかなかったこの素晴らしい賜物は、新約の時代、キリスト信徒のしるしとして封印されたのです。
 
ペテロはヨエルの預言を確かに西暦一世紀に起こった出来事に適用しましたが、その後の書簡の中で「主の日は、盗人のようにやって来ます」(ペテロ第二3:10)と記し、ペンテコステの出来事が、ヨエルが預言した「主の日」の完全な成就ではないことを知っていたようです。実際、そのとき、太陽は暗くならず、月は血のようにならず、主が諸国民に怒りを顕されるような出来事は起こらなかったのです。しかも、ユダヤ人への福音宣教のまだほんの黎明期であったその日、ペテロがヨエルの預言を異邦人に適用したとは思えず、使徒たちの福音宣教自体、最初の二十年間は異邦人に対して非常に否定的でした。したがって、ペテロはヨエルの預言の「その後」をペンテコステの日のメッセージの中で「終わりの日」に置き換えることによって、神の贖いのご計画の人間史における最終章が、ナザレ人イエス・キリストの御降誕、福音宣教、埋葬、甦り、召天で始まったこと、すなわち、キリストの初臨によって終末の時代に入ったことを宣言したのでした。ヨエルがキリストの再臨間近の終点に焦点を当てた一方で、ペテロはキリストの初臨で画された始点に焦点を当てて、異邦人宣教、教会の時代に該当する「終末の時代」を説いたのでした。ヨエルの預言の最初の部分の成就が西暦一世紀に「初穂」、―神の霊の賜物の分与は、「神の国」の完全な相続の初穂― として始まったとすれば、全預言が完全に成就するのは主の再臨によってなのです。
 
キリストの再臨のときが刻々と近づいている昨今、御言葉に耳を傾ける者たちは、神のしるしに注意を払っています。「しるし」とは、ちまたで興行的に行われているあっと驚くような奇蹟とか癒しのことではなく、すでに聖書で預言されている、神のイニシアティブで起こる前兆のことです。聖書の信憑性は、すでに多くの預言が百パーセントの正確さで成就していることによって、疑いの余地がありません。これらのしるしは、人が関与することのできない天体現象、気象現象を通して顕されます。
今年2013年は、太陽の十一年の活動周期の極大期で、黒点が増え、活動が活発になり、大規模な太陽嵐の発生と太陽の南極と北極の磁場が入れ替わる「極域磁場転換」が起こることが予測されていました。しかし、まだ起こっていないようです。太陽観測衛星のデータでは、太陽の北極はすでに一年以上も前にS極からN極に移っているのに南極は依然としてN極のままで、しかも、太陽の赤道付近にS極が現れ、観測史上例のない太陽磁場の「四極化」という異常が起こっているようで、天文学者たちの間で困惑が隠せないようです。現在のところ、黒点数が通常の半分以下しか観測されない太陽は、二百年間で最弱の状態にあるそうですが、太陽の磁場の変化に伴う磁気嵐が起これば、大量の電磁波や粒子を放出するので、太陽系の他の星にも影響を及ぼし、地球上の送電網や衛星をも含む通信網に多大な影響をもたらすことが危惧されています。また、太陽面で発生した巨大なフレアが直接地球に達することでもあれば、電磁パルス(EMP)の爆発を誘発する一大事となるだけでなく、超新星の爆発によって宇宙線が光速近くまで加速されたりすれば、地上の送電網が麻痺することはおろか、火山、地震活動の引き金を引くことさえ予測されています。今世紀に入って世界中で、動植物の集団的突然死、魚貝類の大量死が毎日のように報道されていますが、これらも太陽活動の異常と無関係ではない、天からのしるしといえるかもしれません。

暗闇から光を切望する時節がまた巡ってきました。
世の光、イエス・キリストは、人類の救いのため手を差し伸べておられます。 
主、イエスを受け入れ、信仰、希望、愛が、
皆様の心に灯される時節となりますようお祈りいたします。