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メアリー・ジェインの手紙 : 2013年8月15日

フルダミニストリーの皆さまへ

まず最初に、皆さまのお祈り、ご支援を感謝申しあげます。
さまざまな試練、困難があるなかで、私がミニストリー(伝道活動)を続けられるのも皆さまのお祈り、ご支援があるからです。

私の祖父の死は、私を農業にもっと目を向けさせ、私たちの家族、国を養い支えていく食糧を確保するという夢・思いを与えてくれました。
私の祖父は自分の水田を持つことなく貧しい農夫として八十六歳で亡くなりました。
祖父のような多くの老農夫が、有機・自然農法を推進していく若い世代を見ることなく、貧困の中、死んでいきました。

今年はフィリピン産米の年です。
大統領が、フィリピン国民が消費するに十分な米の生産をするようにと、農家を奮い立たせています。
しかし、悲しいことに多くの貧しい農夫は子供たちの教育のため、また病気にかかったとき、薬を買うために、土地を手放してきました。水田の多くは今や、分譲地に変わり、実際に、ブラカン(Bulacan)では何千ヘクタールという土地にアパートや住宅が建てられています。
ところが農業省はこのような農家の問題が過去なかったかのように、今でも見て見ぬふりをしています。フィリピン政府は米作農民を支援するのではなく、米を輸入し、それを貯蔵し高い値段で売却します。
いま、肥料にかかわる新種の詐欺が発生しています。本来なら農家の肥料助成金に充てられるはずの多額の資金が詐欺師たちの手に渡り、国会は政治腐敗の罪に問われています。詐欺師たちは牢屋に入れられることなく、海外でぜいたくな生活をしています。
ここフィリピンでは有機・自然農法を推進していく組織体・団体はほんのひとにぎりしかなく、にもかかわらず、このような重大な問題が全く大きな動きとなっていないのが悲しい現実です。

主は私に「食糧の確保・保証」を示されました。
ミニストリーをしていくなかで、いろいろなことがありますが、土地開拓者も、諸々の部族も、地方に住む土着の人々も、それぞれが食糧を得るために、どのようにして資金作りをしていくかが、いつも課題になっています。
彼らは食糧確保のため、実にさまざまなことをしています。
ザンバレス(Zambales)のアエタ部族(Aetas)は何トンもの黒い砂(blacksand)を集めてそれを売り彼らの食糧を買っています。
アブラ(Abra)のマバカ部族(Mabakas)は大変な労力・時間をかけて砂金をとり、食糧・その他のものを購入しています。
同じように、デュマガット部族(Dumagats)も砂金と材木を売って米、その他食料品を買っています。
売春婦は自分の身体を売って彼らの家族を養っています。
まさに彼らは食糧確保のために働いているかのようです。もし彼らが農業に目を向けそれに従事すれば(たとえそれが都市型農法でも)、安定した食糧確保ができるのにと、私は思います。

有機・自然農法
私は彼らの村を訪問するたびに、畑で早く収穫できる品種の植え付けをしたらどうか、そうすればお金を他の必需品の購入に回せると彼らにしきりに勧めてきました。もちろん、農業は時間がかかり、忍耐そしてお金も必要です。だからこそ私は、彼らに農業を広めたいと思い、そのため、もっと有機・自然農法を学びたいと思ったのです。
残念ながら今まで、何度となく有機農法の推奨、計画がたてられていますが、ほとんど実行されていないようです。
インターネットで調べたのですが、フィリピンでただ一つの農場がそれを行っています。しかし、そのための訓練は非常に費用がかかります。でも私は有機農法の勉強、そしてその実践をしたく思っています。
どこかの農場で、そのような訓練ができるという情報があれば、ぜひお知らせ下さるようにお願いいたします。

私たちは今日の夕方、パンガシナン(Pangasinan)に向かいます。この土曜日(8月17日)に、そこで祖父は埋葬されます。
皆さまのお祈り、金銭的ご支援にあらためて感謝を申し上げます。
                   
愛をこめて   メアリー・ジェイン

あとがき


8月10日、メアリー・ジェーンのおじいさまが亡くなられました。緊急手術後、八十六歳の高齢にもかかわらず奇蹟的な回復ぶりで、医者も二年間の余命を約束したのですが、主が祈りを聞かれ、おじい様を主の御許に連れさられました。
先回すでにご報告しましたが、おじいさまの奇蹟的な回復の半面、術後の食事療法に膨大な医療費がかかること、退院後も介護人の必要などで、メアリー・ジェーンの身内の方々は経費のねん出や世話人の確保に明け暮れる日々となったのでした。
万策尽き、主のご介入以外に解決策が見当たらない状態に追い込まれたのでしたが、愛の主は、祈りに答えてくださり、おじいさまに死の宣告以降、四十日間の奇蹟的な生命を増し加え、生きながらえさせてくださった後、御許に召してくださいました。
この世で生命ある間にイエス・キリストによる救いを受け入れ、信仰告白した者の行く先は「パラダイス」、神の御許です。たとえこの世に最高の楽園があるとしても、それよりはるかにまさる安息の場所「パラダイス」で、おじいさまは最高の安息を味わっておられることでしょう。

愛する者との別れは辛いものですが、この世に生きているかぎり、そのときはだれにでも訪れます。しかし、その別れが束の間のことで、再び愛する者たちと再会することができることを知っていたら、その道を選ばない人はいるでしょうか。
唯一真の神の言葉「聖書」を通して、そのことを約束しておられる神、イエス・キリストを受け入れることが、この世での死を超えた「永遠の生命」に連なる唯一の道です。



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